選挙研究
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中•長期的視点からみたイギリスにおける投票行動
階級•イデオロギー•業績評価
富崎 隆
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1999 年 14 巻 p. 133-146,180

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抄録

本稿は,イギリスにおける投票行動規定要因の変化と持続をEUROBAROMETER調査データを中心に明らかにすることを目的とする。具体的には,1970年代から90年代における(1)職業階級を中心とするいわゆる「社会的属性」要因,(2)左右イデオロギー,脱物質主義的価値観等の「政治社会意識」要因,(3)マクロ経済を中心とする「業績評価」要因を取り上げ,投票行動との連関を計量的に検証する。結果として,(1)職業階級は,一定の規定力を現在も維持するものの安定的•継続的規定要因とはいえず,逆に80年代以降収入の違いが職業を超えて投票に影響を与えている,(2)左右イデオロギー•生活満足度は安定的な影響を保持し,脱物質主義的価値観は労働党投票との連関を強めている,(3)経済状況•経済政策への評価や期待はイギリス投票行動においてかなり重要な影響力をもつ可能性が示された。同時に,経済業績評価の内容が失業•景気重視から物価•景気重視へ変化してきたことが予想された。

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