選挙研究
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中途半端に終わった政策投票
1996年衆議院議員総選挙の場合
三宅 一郎
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1999 年 14 巻 p. 50-62,178

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抄録

1996年の衆議院選挙における政策評価の影響力を検証する。このため,政策評価,政党評価,候補者評価の3要因を中心に投票を推定する,5要因モデル分析及び8要因モデル分析を用いる。従属変数を事前調査における投票意図とすると,政策評価の効果は,比例代表選挙では政党評価に,小選挙区選挙では候補者評価に次ぐ重要な位置を占める。「政策評価」効果は比例代表に比べて小選挙区で弱いというわけではない。自民党への投票確率と自民以外への投票確率の比(効果比)を計算したところ,政策評価の効果には両選挙でほとんど変らない。政策評価の作用にかかわらず,政党評価の重要性は常に失われていない。政策評価の投票拘束力は政党評価の拘束力によって部分的に抑制されている。消費税という絶好の政策争点の存在にも関わらず,選挙結果が自民党の勝利に終わった理由の一つはここにある。

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