選挙研究
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国会運営と選挙
閣法賛否の不均一分散Probit分析
増山 幹高
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2001 年 16 巻 p. 55-66,181

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抄録

国会の制度的特徴として,全会一致的な議事運営を通じて与野党協調が促進され,立法過程は見かけ以上に粘着的であるとされる。ただし,そうした議事運営における全会一致は与野党の勢力的趨勢に左右されるという見解もある。この研究の焦点は国会運営における与野党協調に選挙によって条件づけられる与野党の議席比や立法過程における政党間の相互作用が及ぼす影響を検証することにある。具体的には,内閣提出法案に対する野党の賛否を与野党協調の指標とし,野党の法案態度を規定する要因を計量的に解明していく。審議時間に対する閣法賛否の不均一分散を考慮した場合,以下の結論を得る。(1) 野党の法案態度は政党のイデオロギーによって構造化されている。(2) 国会における審議は与野党協調を高めるわけではない。(3) 与野党の勢力的趨勢は国会運営に一義的な影響を及ぼすわけではない。
こうした分析からは,従来の国会像とは異なり,議会制度の政策的•多数的論理を浮き彫りにすることが期待される。

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