選挙研究
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重層的な世論過程
世論変化の許容範囲モデル
安野 智子
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2001 年 16 巻 p. 89-100,182

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抄録

世論変化を論じる際には,いかにして新しい意見が勢力を持つようになるのかを説明する必要がある。本稿では夫婦別姓の認可という社会規範に関する世論を取り上げ,世論の変化は態度の変化に先んじて新しい意見への「許容範囲」の変化として生じること,および争点態度の方向性と争点関心の高低によって,世論過程が異なるプロセスをたどることを検証した。その結果,(1)伝統的な規範である夫婦同姓を志向し,かつ争点関心の高い回答者は,争点関心の低い回答者や別姓希望者と異なり,マスメディアという外部情報から世間の意見分布を推測していること,また(2)同姓希望かつ争点関心の高い回答者でのみ,別姓認可に対する世間の意見分布認知が後の自分自身の争点態度に影響していることが確かめられた。

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