選挙研究
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衆議院小選挙区制における一票の重みの格差の限界とその考察
根本 俊男堀田 敬介
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2005 年 20 巻 p. 136-147,226

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抄録

一票の重みの格差に関する議論での新たな視点として格差の限界を客観的に提供し,考察を加えていきたい。例えば,現在の定数配分法と区割指針に沿った格差の限界は1.977倍と算出できる。格差拡大要因として指摘の多い各都道府県への一議席事前配分を廃すると2.032倍と逆に拡大し,この指摘は誤りといえる。定数配分法による要因を見るために,広く知られている人口比例配分法毎の限界値を算出したところ,最良でも1.750倍であった。また,現行法内で考えられる自由度を配分法に許してもやはり1.750倍が限界で,さらに法律の枠を超えた状況でさえ1.722倍未満は実現不可とわかった。これらより,格差の是正には,定数配分法の議論だけではなく,議席数の変更や県境を跨いだ選挙区設定への緩和など制度自体の改革が重要であることが数理的に明らかとなった。

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