選挙研究
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首相公選制度下における分裂投票
誠実投票インセンティブ仮説の検証
浜中 新吾
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2005 年 20 巻 p. 178-190,227

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抄録

イスラエルでは首相公選制導入後,議会で多くの政党が乱立するようになり,公選首相が連立政権の維持に精力を注がざるを得ない状況に陥った。政党乱立の要因は有権者の「分裂投票」にあるとされたが,「分裂投票」をつくりだしたメカニズムについては十分明らかにされてきたとは言えない。そこで本稿では「首相公選制度下では誠実投票インセンティブが生じ,有権者の選好に沿った投票行動が強まった」という仮説を立て,統計的に検証した。
条件付ロジットモデルによって検証した結果,仮説は支持された。よって本稿は次のように結論した。首相公選制度導入前と廃止後の選挙では,政府選択の機会と議会構成の選択機会が不可分であるため,連立政権での政府選択を優先する投票がありうる。しかし首相公選制度下では,有権者は誠実投票を行うと考えられる。よって首相公選期には多党化が進むことになった。

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