選挙研究
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「小泉解散」•総選挙と「首相制」
只野 雅人
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2007 年 22 巻 p. 43-53,195

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抄録

2005年の「小泉解散」•総選挙には,「国民が選挙を通じて,政策プログラムとその実行主体である内閣総理大臣を一体のものとして事実上直接に選ぶ」という「議院内閣制の直接民主政的運用」の論理が顕著にあらわれている。それは,国民の多数の選択に支えられた「首相制」をも導く。1994年以降,選挙制度改革や議会改革などを通じ,「直接民主政」と「首相制」を実現するための条件整備がはかられてきた。「直接民主政」の論理は「多数派デモクラシー」と適合的であるが,しかしながら,日本国憲法の政治機構は,それとは異なる論理に立っているように思われる。「小泉解散」•総選挙の原因となった「強い参議院」の存在は,むしろ,議会中心主義的な日本国憲法の解釈につながる,民意の多様な側面を代表し国民の意思を形成してゆくことの重要性を示唆している。

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