日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
解説
全電源喪失について
岡本 孝司
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー

2012 年 54 巻 1 号 p. 27-31

詳細
抄録

 原子力発電所の安全を担保する思想は深層防護である。東日本大震災による発電所への影響を深層防護に従い検討を行うと,いかなる場合においても,電源を供給できるようにすることが必須であることが見えてくる。全交流電源喪失,全交流電源系統喪失,全電源喪失など,発生確率とリスクに応じて,電源に対する対策を考えていくことが重要である。わずかな電源容量であっても,ある程度の時間は稼ぐことができる。事象を整理し,俯瞰的に評価することで,プラント全体のリスクを低減していくことが重要である。

著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本原子力学会
前の記事 次の記事
feedback
Top