2016 年 58 巻 3 号 p. 161-166
原子力学会 熱流動部会は,福島第一原子力発電所(1F)事故の教訓を基に熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2015(改訂版)を他分野に先駆けてH27年3月に策定した。世界最高水準の安全性を実現しその継続的向上を図るため,深層防護を柱にシビアアクシデントや外的事象の対策を整理し,安全裕度向上策および人材育成に必要なニーズとシーズのマッチングを考慮した上で技術課題を選定し,1F廃炉など主要なマイルストーンに基づく時間軸上にロードマップを展開した。要旨を,事故時の炉心損傷防止など4件の個別技術課題の例を交えて解説する。