2021 年 63 巻 4 号 p. 338-343
原子力利用のリスクに応じた対応をとるためには,多様な原子力施設の事故を模擬できる大型の実験装置や解析コードを使ったシミュレーション,重要な現象の機構解明研究などの系統的な研究を通じて,適切にリスクを評価するための手法を整備・適用し,これらを身につけた人材を育成することが重要である。本稿では,地震など外部事象の原子力施設への影響,シビアアクシデントの発生・進展,放射性物質が放出された際の環境への影響評価研究などを中心に原子力機構の安全研究への取り組みを紹介する。