2021 年 63 巻 4 号 p. 344-348
電力システムでの再エネ導入拡大を目指す再エネ主力電源化の方針が,エネルギー政策の重要な柱となっている。再エネ導入により,低炭素化,エネルギー自給率向上,災害時における電力レジリエンス向上等への貢献が期待される一方,電力コスト上昇などの問題もあり,再エネ主力電源化は技術的に容易ではない。太陽光発電など再エネ拡大を進める米国カリフォルニア州では,電気料金の高騰や,2020年8月の猛暑の影響で停電リスクが顕在化するなど,再エネ拡大に際しては電力安定供給を最優先とした慎重な対応が必要であると考えられる。