2022 年 64 巻 1 号 p. 17-22
福島第一原子力発電所の事故から10年が経過した。事故により福島第一原子力発電所建物やサイト内だけでなく環境中にも広く放射性物質が拡散沈着したことから,事故発生直後より放射線源の空間分布を直感的に把握できる放射線源の可視化への要求が高まり,環境中における放射線分布のマッピングやガンマカメラと呼ばれる放射線のイメージング装置の投入と開発が進められてきた。ここでは,事故後に開発され運用されてきた放射線分布の計測技術について紹介するとともに,今後の展望について述べる。