2022 年 64 巻 10 号 p. 557-560
核融合研究開発は巨額の投資を要する基礎的科学研究として,世界的に長らく公費により実施されてきたが,近年民間努力による実用化研究が脚光を浴びている。ここでは,核融合工学の今後の展開においてスタートアップ企業が担う役割とその方法論について報告する。具体的には,京都大学発ベンチャーとして2019年10月に設立された京都フュージョニアリング(KF)社の事例をもとに,以後順調に進展している組織,資金,研究開発活動を説明し,世界の核融合開発の推進に対するユニークな貢献とともに,豊富な原子力研究の基盤を持つわが国の次世代の重要な産業分野としての意義を論ずる。