2023 年 65 巻 10 号 p. 621-624
高分解能計算格子により個々の建物影響を考慮し複雑な気流を再現可能な乱流モデルを導入して開発した大気拡散計算コード(LOHDIM-LES)と,建物の遮蔽効果を考慮した3次元体系で放射線の線量率寄与を計算する線量評価コード(SIBYL)を組み合わせた高分解能大気拡散・線量計算コードを開発した。さらに,都市市街地内で放出されたトレーサガスの大気拡散を短時間で計算可能な都市大気拡散高速計算コード(CityLBM)を導入し,局所域大気拡散のさまざまな課題に対応可能な解析システム「LHADDAS」を完成させた。本稿では,LHADDASの概要とその応用事例として,都市市街地での放射線テロを想定した詳細拡散・線量のシミュレーション結果について紹介する。