日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集2
膵神経内分泌腫瘍に対する外科治療
土井 隆一郎浦 克明平良 薫大江 秀明吉川 明石上 俊一
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2012 年 29 巻 3 号 p. 215-219

詳細
抄録

膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumors,PNET)は稀な腫瘍であるため,治療方針の標準化が遅れていた。最近になり欧米のコンセンサスガイドラインやプラクティスガイドラインが公表された。日本でもPNETに対する新しい薬物治療が使用可能となり,臨床家の注目が高まりつつある。特に外科治療においては,発見された腫瘍に対する評価に応じて,切除の適応,術式の選択,リンパ節郭清の範囲などを決めなければならない。また遠隔転移がある場合には別途検討が必要である。いずれの場合にも切除による根治の道をまず追求することが重要である。一方,手術のみで治療が完了しない場合には,エベロリムスなどの薬物療法を含む集学的な治療戦略が必要になる。

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top