日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集2
「特集2.小児甲状腺癌」によせて
菅間 博伊藤 康弘
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2013 年 30 巻 4 号 p. 275

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抄録

東日本大震災(2011年3月11日)に伴う福島第一原発事故後3年が経過しようとしている。小児の甲状腺癌の発生が危惧され,社会的な関心が高まっている。小児の甲状腺癌についての医療関係者間での共通の理解が必要と考えられる。しかし,小児甲状腺癌は稀な疾患であるため,過去の基礎データの整理が十分になされていない。チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)では,事故後4~5年から小児の甲状腺癌が発症していることから,小児甲状腺癌についてのコンセンサス形成が急がれる。

本特集では,小児甲状腺癌の理解に必要な基礎的事項を整理するとともに,これまでの小児甲状腺癌の臨床について解説する。具体的には,日本国内の小児甲状腺癌の病理学的ならびに遺伝学的な特徴と問題点を整理する。小児甲状腺癌の臨床として,術前診断の良悪判定の要となる細胞診断,さらに小児濾胞癌と小児乳頭癌の臨床について総説する。小児の甲状腺癌についての内分泌・甲状腺外科医の間のコンセンサス形成の一助となれば幸いである。

 

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