日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Print ISSN : 2186-9545
特集1
「特集1.外科医が診る副腎疾患」によせて
石戸谷 滋人宮里 実
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2014 年 31 巻 3 号 p. 165

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抄録

二次性高血圧の中でも,副腎性高血圧への関心が高まってきており,医療機関で治療を受ける患者数も増加傾向にある。それに併せて,各々の副腎疾患についてガイドラインの類も徐々に刊行されつつある。原発性アルドステロン症においては「原発性アルドステロン症の診断治療ガイドライン―2009―」,褐色細胞腫では「褐色細胞腫診療指針2012」が既に上梓されている。

しかしこれらのガイドラインにはかなり踏み込んだ内容の術前診断を要求している部分があり,内分泌専門医や放射線(IVR)専門医の協力なしには施行しえないものが多い。原発性アルドステロン症で手術を前提にした場合には副腎静脈サンプリングが必須とされているが,現実的に対応可能なのか? クッシング症候群/サブクリニカルクッシング症候群の確定診断にはデキサメサゾン抑制試験が必要だが,それを検索してくれる内科医が自施設にいるのか? 外科サイドからこのような悩みを聞く機会が多い。さらに,術後の経過観察を誰が行うのかも,統一された見解はないように思う。「手術は治療の終わりではなく始まり」とされる褐色細胞腫の場合,術後の血圧やカテコラミンの測定,画像評価はどうするのか? 皮質腫瘍/髄質腫瘍に限らず,転移再発が顕在化した場合に集学的治療(全身化学療法,放射線治療など)を担うのはどこの部門か?そしてどのような治療を施すのか? 多くの副腎外科医が手術以外にも,試行錯誤しながらこれらの事項に臨んでいるものと推察される。

特集1では,このような現実を踏まえて,外科の立場で実際に副腎疾患を扱っている専門の方々に,どの程度まで術前評価,術後経過観察を行いえるのか,また,実際に行っているのか,そのreal worldも含めて執筆をお願いした。これから副腎外科に取り組む若手医師にも理解しやすい内容で,一部には自験例を交えて記述頂いている。本特集が副腎外科治療に携わる方々にとって今後の治療の一助になれば幸いである。

 

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