日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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Print ISSN : 2186-9545
特集2
副甲状腺機能亢進症に対するインターベンション治療
福成 信博
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2014 年 31 巻 3 号 p. 190-196

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抄録

内科治療に抵抗する抵抗性の高PTH血症が持続し,高P血症(>6.0mg/dL)または高Ca血症(>10.0mg/dL)が存在する場合は,副甲状腺摘出術(PTx)または経皮的エタノール注入療法(PEIT)などの副甲状腺インターベンションが適応とされる。ここでは,PEITに代表される非手術・選択的局所療法を中心に記載する。
本邦では超音波による責任病巣の検出能向上に伴い,1990年後半より二次性副甲状腺機能亢進症に対して選択的副甲状腺注入療法が積極的に行われ,2004年には副甲状腺への経皮的エタノール注入療法(PEIT)が保険の適用となり,更にビタミンD(VD)製剤の直接注入に関する臨床試験も行われた。対象とする腺のサイズや多腺病変への適応が議論され,またPEIT後の癒着が臨床的に大きな問題となったが,2008年にPTH分泌を抑制するシナカルセット塩酸塩の登場以来,副甲状腺に対するインターベンションは大きくその立場を変えることとなった。

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