日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Print ISSN : 2186-9545
症例報告
進行甲状腺乳頭癌と診断し肉眼的治癒切除後に未分化癌と判明した1症例
堤内 俊喜下出 祐造辻 裕之木下 英理子北川 典子一柳 健次
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2014 年 31 巻 3 号 p. 238-242

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抄録

症例は78歳,女性。前頸部腫瘤を主訴として,前医を受診。前医でのFNAにて甲状腺乳頭癌と診断され,手術加療目的に当科紹介となった。術前の超音波およびMRI検査にて,右甲状腺内に40×37×35mm大の腫瘍と,右内頸静脈内に突出するように腫瘍塞栓を認めた。また,一部総頸動脈と腫瘍の境界が不明瞭な箇所を認め,画像上は明らかな浸潤は認めなかったが,総頸動脈への浸潤の可能性も示唆された。手術は甲状腺全摘術,右内頸静脈合併切除,右総頸動脈外膜切除,右頸部廓清術(D2b),気管切開術を行った。術後の病理診断で甲状腺乳頭癌の未分化転化の診断であった。術後65日目に局所再発と肺転移を認め,現在Weekly Paclitaxelによる全身化学療法中である。肉眼的治癒切除を行い,術前と比べてPS(Performance Status)を大きく損なうことなく経過している。
甲状腺未分化癌は,予後が非常に悪く積極的な手術加療とならないことも多いが,根治的切除が可能であれば積極的に手術を考慮することが必要と思われた。

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