2017 年 34 巻 3 号 p. 187-190
腎性副甲状腺機能亢進症の副甲状腺の局在診断のためには,第3咽頭囊から下副甲状腺が,第4咽頭囊からは上副甲状腺が発生し,下腺は移動距離が上腺より大きいため,存在する部位も広範となるということを理解しておく必要がある。術前画像診断の検査としては,US,CT,MRI,MIBIがある。現在われわれは,頸部PTxでは,US,MIBI SPECT/CTを,前腕移植腺再発手術では,US,MRIを採用しているが,さらに検討は必要である。4腺確認できたとしても満足することなく,常に過剰腺はないかと疑ってPTxに臨むことは重要である。また,小さな副甲状腺を画像で検出することが困難な現時点では,胸腺舌部を可及的に切除し,頸部残存腺による再発をできるだけ少なくする努力が肝要であると考えている。