日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集2
放射線治療のupdate
森 博史若林 大志萱野 大樹絹谷 清剛
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2022 年 39 巻 2 号 p. 110-115

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抄録

難治性褐色細胞腫・パラガングリオーマ(PPGL)の治療の1つに,131I-metaiodobenzylguanidine (MIBG)を用いた放射線治療(核医学治療)がある。PPGL患者には様々な治療法が提供されているが,131I-MIBGの腫瘍集積は選択的・特異的で,131I-MIBG治療は治癒切除不能なPPGL病変のある患者に対して優れた治療法である。131I-MIBG治療で客観的奏効が完全奏効に達することは少ないが,複数回治療によって部分奏効が長期間持続し,カテコラミン値の低下による症状改善が報告されている。代表的な有害事象として骨髄抑制を認めるが,不可逆的なものはほぼ認められないと報告されている。2022年からPPGLに対する131I-MIBG治療の保険診療が開始された。本項目では筆者の施設での経験を交えながら,131I-MIBG治療の有効性や治療の実際について解説を行う。

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