JAFEE Journal
Online ISSN : 2434-4702
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2021 Volume 19 Pages 79-96

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Abstract

従業員クチコミサイトの従業員クチコミの文章情報から「働きがい」「働きやすさ」の代替指標としての時系列スコアを生成し, 企業業績及び株式パフォーマンスとの関連性を分析した. その結果, 働きがい及び働きやすさスコアの改善は,2∼3年程度遅れて企業の成長性や収益性にプラスの影響をもたらし, 逆に企業のサステイナブル成長率の向上は,1 年程度遅れて働きがいを向上させることが分かった. また株式パフォーマンスとの関連性については, 両スコアの改善ポートフォリオは 1年程度遅れて統計的に有意な正の超過リターンをもたらし, 株式市場におけるミス・プライシングが発生していることが示唆された一方, 働きやすさのみの改善ポートフォリオでは統計的に有意な超過リターンは観測されなかった.

1. はじめに

近年の企業経営では従業員の「働き方」が重視されるようになってきている. 特に平成30年7月に成立した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」では労働基準法などの一部が改正され,「働き方改革」のもとで労働時間や休息時間, 待遇等についての各種見直しが行われた.

しかしそのような「働き方」というものは定量化が難しく評価がしにくい一方で,「働き方」の改善・悪化がどのように企業業績に影響を与えるのか, 特にそれら相互の関連性については企業経営者や従業員にとって重要な関心事であると考えられる.

本研究では転職・就職者向けの従業員クチコミサイトの従業員クチコミテキスト情報のうち, 上場企業の「働きがい」と「働きやすさ」に関するカテゴリに投稿されたクチコミテキストを用い, 機械学習・テキストマイニングの技術を用いることで, クチコミ文章情報から見いだされる「働き方」を「働きがい」「働きやすさ」に分けて考え, それら二種類のスコア値をクチコミの投稿日を基準とした時系列データとして定量化した. その上で, 企業財務及び株式パフォーマンスとの関連性について分析を行った. 「働きがい」については従業員の「モチベーション」及び「成長機会」のカテゴリの情報が,「働きやすさ」については従業員の「ワークライフバランス」及び「女性の働きやすさ」のカテゴリの情報が, それぞれの代替情報となり得るという仮定のもとに分析を行った.

働きがい及び働きやすさと企業業績との関連性分析は広く行われており, 主にアンケート調査などをもとにしたランキングデータを用いたものが多い. (Edmans, Does the stock market fully value intangibles? Employee satisfaction and equity prices, 2011)では, 米国の”100 Best Companies to Work”のランキングデータを用いて, 従業員満足度の高い企業は将来の株価に超過的なリターンをもたらすことを報告している. また, [山田, 臼井, 後藤, 2017]では日経新聞社の国内企業を対象とした「働きやすい会社ランキング」を用いて分析を行い, 同様の結果を得ている. 働きやすい企業の将来の業績パフォーマンスが良い理由として, (Edmans, Does the stock market fully value intangibles? Employee satisfaction and equity prices, 2011)や [山田, 臼井, 後藤, 2017]

では, 人的資本や職場環境などの無形資産を市場が過小評価しているため, 株式市場でのミス・プライシングが生じていると主張している.

従業員クチコミサイトの情報を用いて企業業績との関連性を見た研究としては, OpenWorkのクチコミテキスト情報のうち「組織体制・企業文化」のカテゴリを用いて, 時系列での組織文化スコアを生成し, 業績との関連性を見た [西家 津田, 2018]がある. [西家 津田, 2018]では, 組織文化スコアで見た企業の組織文化の改善悪化という変化が, 企業財務もしくは株式パフォーマンスに対して影響を与えていることが示唆されている. また海外の研究では, (Green, Huang, Wen, & Zhou, 2019)が, 従業員レビューサイトである Glassdoor.comのデータを用いて分析を行い, 四半期毎に生成した各投稿者単位の Overall Rating等の会社毎の集計値の変化が将来の企業業績および株式パフォーマンスに影響を与えることを報告している. (Green, Huang, Wen, & Zhou, 2019), [西家 津田, 2018]共に, Ratingや組織文化スコアの水準ではなく, その変化が将来の業績パフォーマンスに影響を与えると主張している.

本研究の特徴としては, カテゴリ分けされた従業員クチコミテキスト情報をテキストマイニング及び機械学習により「働きがい」と「働きやすさ」という別々の時系列スコアとして定量化することでそれらのスコア変化を考え, パネル時系列分析を用いた企業業績との関連性の分析を行った点である.*1

本論文の構成は次の通りである. まず使用するクチコミデータについて説明した後,「働きがい」と「働きやすさ」のスコアの定量化手法について述べる. 最後にそれらのスコア変化と企業業績との関連性及び株式パフォーマンスとの関連性分析について述べる.

2. 先行研究

本研究では「働きがい」と「働きやすさ」を別々に考える. 働きがいや働きやすさは明確な定義がある概念ではないが, 厚生労働省が平成26年5月に発行している「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」によると, 従業員にとっての「働きがい」とは「働く価値がある」, および「働きやすさ」とは「働く苦労・障壁が小さい」とされている. まず, 広い意味での働きがいと働きやすさの企業業績への影響についての先行研究を整理する.

働きがいについては, (Green, Huang, Wen, & Zhou, 2019)によるとGlassdroorの評価項目の中でも特にCareer OpportunityとSenior Managementの評価項目のRatingの改善が, 株式パフォーマンスに統計的に有意な正の超過リターンをもたらすとされている. また, (Symitsi, Stamolampros, & Daskalakis, 2018)でも, Glassdoorの従業員満足度が高い企業で同様に有意な超過リターンが発生しうることを示唆している. これらの研究で用いられたCareer Opportunityや従業員満足度が, 従業員の働きがいの構成要素の一つであると仮定すると, 従業員の働きがいが改善する場合には企業業績に対してプラスに作用することが考えられる.

働きやすさについては企業業績に対してプラス及びマイナス両面の見方がある. [山田, 臼井, 後藤, 2017]では日経新聞社の「働きやすい会社ランキング」と企業業績との関連性を分析しており, ランキング上位の会社については株式パフォーマンスに統計的に有意な正の超過リターンが生じることが示唆されている. 一方で, (Green, Huang, Wen, & Zhou, 2019)では, 働きやすさの構成要素の一つであるWork Life BalanceのRatingは企業業績に影響を与えないと主張している. Work Life Balanceを働きやすさの構成要素の一つであると考えると, 別の見方としてWork Life Balanceが悪くなるということは忙しくなることの裏返しとも捉えられ, その影響で企業業績が伸びる可能性もある.

次に従業員クチコミ情報を用いた先行研究について整理する.

従業員クチコミ情報を用いた研究では各社の従業員によって投稿される数段階の定量評点データを用いたもの, また自由入力のテキスト情報を用いたものがある. 海外ではGlassdoor.comに投稿された定量評点データを用いたものがある. 代表的なものとしては (Green, Huang, Wen, & Zhou, 2019), (Symitsi, Stamolampros, & Daskalakis, 2018)などである. 国内ではOpenWorkに投稿された自由入力のテキスト情報を用いた [西家 津田, 2018]がある. [西家 津田, 2018]では, OpenWorkの「組織体制・企業文化」カテゴリに投稿された国内上場企業のクチコミテキスト情報を機械学習・テキストマイニングにより定量化した「組織文化スコア」を用いて企業業績および株式パフォーマンスとの関連性を分析している. 本研究でも [西家 津田, 2018]と同様にOpenWorkのクチコミテキスト情報を用いたが, 利用するクチコミカテゴリが異なる. また, [西家 津田, 2018]と異なり時系列分析モデルによる関連性の分析を行っている.

3. クチコミデータ

本研究ではオープンワーク株式会社が運営する転職・就職者向けの従業員クチコミサイトであるOpenWork*2の,「モチベーション」「成長機会」「ワークライフバランス」「女性の働きやすさ」のカテゴリに投稿された2007年7月から2019年3月末までの計306,392件の上場企業クチコミデータを用いた.「モチベーション」「成長機会」のカテゴリのクチコミ文章を統合し「働きがい」のカテゴリを,「ワークライフバランス」「女性の働きやすさ」のカテゴリを統合し「働きやすさ」のカテゴリを構築した.

表 1に本研究で用いた「働きがい」「働きやすさ」のクチコミデータの統計量を示す. 累積投稿者数は「働きがい」「働きやすさ」カテゴリに投稿された基準月末までのクチコミの累積件数, 東証一部・二部内会社数はそれぞれ1件以上, 5件以上, 10件以上, 20件以上, の投稿者数閾値以上の投稿が存在する会社の数である. 投稿者属性はクチコミ投稿を行った投稿者についての平均的な属性であり, 現職比率は現職者・退職者のうち現職である投稿者の割合, 男性比率は男性投稿者の割合, 新卒比率は新卒入社・中途入社のうち新卒入社の投稿者の割合, 平均在籍年は投稿者が在籍している年数の平均値である.

累積投稿者数としては,「働きがい」カテゴリよりも「働きやすさ」カテゴリの投稿の方が多い. これはクチコミとしての書きやすさが「働きやすさ」カテゴリの方が高いためであると考えられる. OpenWorkでは合計8個のカテゴリの中から投稿者が自由に選択し, 投稿カテゴリの合計で500文字以上となるように投稿する. また, 投稿されたクチコミは機械的な審査及び人の目による審査の二段階の審査を経て掲載される. 本研究ではこのような審査を通過したクチコミのみを使用している. 投稿者属性としては現職者と退職者はほぼ半々であり, 男性及び新卒入社の投稿者がやや多い.「働きやすさ」のカテゴリには「女性の働きやすさ」のカテゴリが含まれるため, 当該カテゴリの男性比率は「働きがい」と比較してやや低い. また, 平均在籍年数は5∼7年程度の投稿者が多いため, 比較的若手から中堅世代が多いと推察される.

表 1働きがい・働きやすさカテゴリのクチコミ統計量
働きがい 東証一部・二部内会社数
(投稿者数閾値)
投稿者属性
基準月末 累積投稿者数 1件以上 5件以上 10件以上 20件以上 現職比率 男性比率 新卒比率 平均在籍年数
2007/12 152 81 6 1 0 46.7% 86.8% 63.8% 4.40
2008/12 706 259 31 14 3 46.7% 81.2% 66.3% 4.88
2009/12 2,658 618 118 56 25 42.8% 78.7% 64.7% 5.48
2010/12 5,844 925 257 122 57 44.0% 79.0% 62.5% 5.60
2011/12 8,999 1,220 375 187 94 44.4% 79.9% 63.2% 5.86
2012/12 12,530 1,423 485 266 117 46.5% 80.1% 64.1% 6.14
2013/12 18,044 1,644 698 385 175 47.1% 80.2% 64.6% 6.44
2014/12 25,690 1,859 902 529 272 47.4% 80.3% 64.5% 6.72
2015/12 34,862 2,113 1,112 708 365 47.8% 80.5% 64.3% 6.79
2016/12 48,995 2,362 1,363 914 527 49.0% 79.7% 64.4% 6.83
2017/12 69,422 2,613 1,650 1,152 726 50.3% 78.7% 64.2% 6.84
2018/12 96,256 2,800 1,911 1,420 930 52.0% 77.8% 64.3% 6.83
2019/03 96,361 2,800 1,912 1,422 930 52.0% 77.8% 64.3% 6.83
働きやすさ 東証一部・二部内会社数
(投稿者数閾値)
投稿者属性
基準月末 累積投稿者数 1件以上 5件以上 10件以上 20件以上 現職比率 男性比率 新卒比率 平均在籍年数
2007/12 466 109 23 10 3 53.0% 86.5% 65.9% 4.60
2008/12 1,991 322 90 44 21 47.6% 79.5% 66.6% 4.76
2009/12 6,041 670 247 124 58 43.8% 77.6% 65.5% 5.37
2010/12 12,509 977 445 265 123 45.3% 77.8% 63.3% 5.54
2011/12 18,177 1,277 601 359 178 46.1% 78.1% 63.7% 5.75
2012/12 24,435 1,470 765 461 260 47.3% 78.0% 64.4% 6.01
2013/12 34,269 1,678 981 645 362 48.0% 78.1% 65.0% 6.34
2014/12 48,720 1,898 1,247 850 499 48.4% 78.2% 64.8% 6.64
2015/12 66,859 2,168 1,484 1,076 671 48.6% 78.1% 64.6% 6.72
2016/12 95,877 2,421 1,756 1,341 901 49.7% 76.6% 64.8% 6.74
2017/12 138,570 2,659 2,033 1,619 1,153 51.0% 75.1% 64.8% 6.73
2018/12 194,804 2,847 2,289 1,920 1,420 52.6% 73.8% 65.0% 6.72
2019/03 210,031 2,880 2,356 1,977 1,479 53.0% 73.6% 65.1% 6.74

4. 働きがい・働きやすさスコア

4.1. 働きがい・働きやすさスコアの生成

クチコミ文章情報から企業毎の働きがい・働きやすさスコアを生成する方法は, [西家 津田, 2018]に従った. 具体的には使用データ中の投稿者単位のクチコミを「。」で分割し, 文章単位の情報に変換した後, センチメント分析モデルによるポジティブ確率の付与を行う. その後, それら文章単位のポジティブ確率を企業単位に集計した時系列スコアを生成する.

センチメント分析モデルの構築用の学習データは, [西家 津田, 2018]と同一の27,018件のポジティブ・ネガティブのフラグが付いたデータセットを利用し, 精度評価用の検証データとして, 同様にフラグを付けた学習データに利用していない「企業の強み・弱み」のカテゴリに属するクチコミ文章を73,885件利用した. センチメント分析モデルは,fastText ( (Joulin, Grave, Bojanowski, & Mikolov, 2016), (Bojanowski, Grave, Joulin, & Mikolov, 2016) ) だけではなく, 独自に構築した多層パーセプトロン(MLP)モデルを組み合わせたソフトアンサンブルモデルを用いた. ポジティブ・ネガティブの判別精度評価指標として, 信用リスクモデル等で用いられるAUC(Area Under the Curve)を用い, 検証データによる評価ではAUC = 0.921となり, 十分な精度が出ていると判断した. AUCは0から1.0の範囲の値を取り, ランダムな分類の場合0.5となり, 1.0に近いほど判別の順序性が優れていることを表す.

学習済のセンチメント分析モデルを「働きがい」「働きやすさ」のカテゴリの文章に適用し, 文章単位にポジティブ確率を付与する. 付与した「働きがい」「働きやすさ」のカテゴリの文章数はそれぞれ428,931文章, 及び881,789文章となり, さらにこれらのポジティブ確率を企業単位で集計した時系列スコアを生成した.

文章単位でのポジティブ確率を企業別時系列スコアへ集計する方法は [西家 津田, 2018]にて提案されている三種混合正規分布モデルを用いた方法を用いた. 投稿時点tでの企業c, 投稿者pによる文章sのポジティブ確率を

Xc,p,s(t) とする. まず, 投稿者単位のポジティブ確率平均値を

  
X¯c,p(t)=1ns|p,csXc,p,s(t)(1)

と計算する. ここで ns|p,c は企業c 投稿者p のクチコミに含まれる文章数である. 次に時点 tT の全企業全投稿者について, ポジティブ確率平均値の母分布を三種混合正規分布と仮定し, EM アルゴリズムを用いて推定する. このとき期待値が(1)ポジティブ(1 に近い), (2)ニュートラル(0.5 に近い), (3)ネガティブ(0 に近い), となるように初期値及び制約条件を調整する. 推定された三種混合正規分布中の各正規分布をPk[X¯c,p(T)], 混合比をwk(T)とする. ここで k{1,2,3}である.

ベイズ更新の考え方を用いて, 推定した各正規分布を事前分布とし企業毎のポジティブ確率平均値群{x¯c,p}によって各分布を更新する. 更新後の各正規分布の期待値をμc,k(T)とし, 企業c の時点T における時系列スコアを

  
VCTc=kϖkμc,k(T)(2)

と計算する. 時点 T を月次でスライドさせながら各月末について算出を行う. この操作を「働きがい」「働きやすさ」カテゴリそれぞれの文章群に対して適用し, 働きがいスコアと働きやすさスコアを算出する.

表 2に働きがい・働きやすさスコアと, 比較のために [西家 津田, 2018]で用いられた「組織体制・企業文化」のカテゴリの文章を用いて同様に生成した組織文化スコアについて, OpenWorkでの定量評点項目との相関を示す. 定量評点項目はクチコミテキスト情報と同時に投稿者によって投稿された各指標に対する5段階評点および残業時間, 有給消化率をOpenWorkが企業毎に集計したものである. 働きがいスコアは社員の士気などの項目との相関が高く, 働きやすさスコアは平均残業時間と逆相関, 有給休暇消化率と正相関であり, 定性的な要請とも整合的であることが確認される. また働きがい・働きやすさスコア両者とも組織文化スコアとやや弱い正の相関が存在する. 組織文化スコアは総合評価スコアとの相関が高く, 相関が高い評点項目が多い特徴がある.

表 2 2019年3月末時点での働きがい・働きやすさ及び組織文化スコアと定量評点との相関(企業数=1359)
種別 指標名 組織文化 働きがい 働きやすさ
クチコミ 組織文化スコア 1.000 0.401 0.199
クチコミ 働きがいスコア 0.401 1.000 -0.119
クチコミ 働きやすさスコア 0.199 -0.119 1.000
5段階評点 総合評価スコア 0.526 0.317 0.264
5段階評点 待遇の満足度 0.115 0.026 0.216
5段階評点 社員の士気 0.561 0.475 0.022
5段階評点 風通しの良さ 0.618 0.201 0.329
5段階評点 社員の相互尊重 0.487 0.310 0.165
5段階評点 20代成長環境 0.493 0.406 -0.034
5段階評点 人材の長期育成 0.187 0.095 0.202
5段階評点 法令順守意識 0.105 -0.144 0.481
5段階評点 人事評価の適正感 0.373 0.464 -0.099
時間(hour) 平均残業時間 0.097 0.250 -0.488
消化率(%) 有給休暇消化率 0.114 -0.183 0.596

本研究では, 働きがいと働きやすさのスコアの時系列変化に着目する. ある二時点間のある企業のスコア変化を考えた場合, その間の投稿者数は企業毎に異なる. そのため, ある月末時点 T でのある企業 i の修正スコア変化DVCTi を, T 月末のスコア値VCTi 及び T12 月末のスコア値VCT12i 及びその間の投稿者数増分ΔNT12Ti を用いて

  
DVCTi1+ΔNT12Ti(VCTiVCT12i)(3)

と定義し, 企業毎の投稿者数増分の違いを補正する. 以後, 企業i の働きがいスコアの時点t におけるスコア値と修正スコア変化をVCti(M),DVCti(M), 同じく働きやすさスコアについてもVCti(W),DVCti(W) と表す.

4.2. 働きがい・働きやすさのクチコミデータのバイアス

従業員クチコミ文章を用いた先行研究である [西家 津田, 2018]では, 従業員クチコミ特有のバイアスが指摘されている. 具体的には, (1)投稿されているクチコミの数が企業毎に異なる点, (2)投稿者属性が企業毎に異なる点, (3)利用しているデータがあくまでもクチコミを投稿しようという意思を持った投稿者に限定される点, そして(4)虚偽や作為的なクチコミが少なからず存在する可能性がある点などである.

本研究では, (1)(2)について [西家 津田, 2018]と同様の手法を採用することで, 可能な限りバイアスを是正するようにポジティブ確率を企業単位の時系列スコアへと集計した.

図 1に2019年3月末時点での企業毎の働きがい・働きやすさスコアとそれぞれの投稿者数の自然対数値との関係を示す. 図 1を見ると, 投稿者数が増加するに従ってスコアのばらつきが広がっていき, 一定程度投稿者数が存在する領域ではスコアのばらつき度合いが安定する. このようなポジティブ確率の集計方法を採用することで, 企業毎の投稿者数の違いや投稿者属性の違いを是正するように集計を行った.

(3)(4)のバイアスは, 利用データに内在する潜在的なバイアスである. OpenWorkでは全クチコミ投稿に対してシステム的な審査と人の目による二段階の審査を行い, 掲載する投稿を決定している. 本研究では, そのようなクチコミのみを利用することで可能な限り虚偽や作為的な投稿を排除し(4)のバイアスに対応した. (3)のバイアスは [西家 津田, 2018]でも今後の課題として指摘されており, 受動的なデータ収集である従業員クチコミにおいて避けられない問題である. 各企業における投稿者数が増加していくことで是正されていくと推察されるが, 現時点においてクチコミ投稿数は各企業の従業員数に対して限定的な数であるため, 本研究においても今後の研究の課題である.

図 1 2019年3月末時点での働きがい・働きやすさスコアと自然対数投稿者数の関係

5. 働きがい・働きやすさと企業業績の関連性

従業員クチコミから生成した働きがい・働きやすさの修正スコア変化と企業財務及び株式パフォーマンスとの関連性を分析する. 分析は2011年3月末から2019年3月末の期間のうち, 各月末に東証一部二部に上場する企業群のうち金融法人(銀行業, 保険業, 証券業, その他金融業)を排除した企業群で, 各月末に10件以上の投稿者数が存在する企業のみを抽出して用いた. 企業財務データ及び株価・時価総額データは東洋経済新報社の「有価証券報告書データ」及び「月次修正株価・時価総額データ」を用いた.

5.1. 企業財務との関連性の分析

働きがいスコア及び働きやすさスコアの変化が企業財務にどのような影響を与えるか, また逆に企業財務は働きがいや働きやすさにどのような影響を与えるのか, を分析する. (Barber & Lyon, 1996)及び [西家 津田, 2018]などで指摘されている通り, 企業財務は様々な要因により直接的な比較ができない. そのため, (Barber & Lyon, 1996)を参考にしたパフォーマンスマッチングによる時点毎企業毎の参照ポートフォリオ対比での超過財務を用いることとした.*3 企業i 決算時点Tの超過財務ΔYTiを, 当期財務YTiと, その参照ポートフォリオの財務指標中央値ŶTiと前決算期財務指標中央値ŶT12iから期待される期待財務E[YTi]=YT12i+[ŶTiŶT12i]の差分として,

  
ΔYTiYTiE[YTi](4)

と定義する. 各社の超過財務データは, 各月末時点tにて認識できる直近の決算の超過財務を用い, 2011年から2019年までの3月のデータを抽出した年次データとした. これに各社の決算年月末の働きがい・働きやすさ修正スコア変化DVCTi(M),DVCTi(W)を結合し, 企業 × 年次のパネルデータとした. 認識時点tの修正スコア変化を結合した場合, 修正スコア変化の認識遅れが発生するため, 決算年月末の修正スコア変化を結合した.

パネルデータを用いた各修正スコア変化と企業財務との相互関連性の分析のために, 本研究では企業 i 時点 t とした式(5)で表されるPanel Vector Auto Regression (PVAR)を用いた.

  
xi,t=μi+l=1pAlxi,tl+ϵi,t(5)

ここでxi,tは企業i,時点tm個の内生変数を要素に持つベクトルであり, Alはラグl{1,2,,p}(年)でのm×mの係数行列である. 本研究ではm=3とし, 内生変数は財務指標の種類を変えた超過財務, 及び働きがい・働きやすさ修正スコア変化とした. またラグはp=3(年) で固定した. PVAR は多変量時系列モデルであるVARをパネルデータに拡張したモデルであり, 近年主に計量経済学の分野で研究が進んでいる. ( (Canova & Ciccarelli, 2013), (Sigmund & Ferstl, 2019) ) PVARは通常のVARと異なり, 最小二乗法による推定ではパネルデータ固有のバイアスが排除できないため, GMM(一般化積率法)による二段階推定を行う. 表 3にPVARの推定結果を示す.

表 3 超過財務, 働きがい・働きやすさ修正スコア変化による3変量PVARの推定結果(企業数=3620)
ROE 働きがい 働きやすさ 売上高営業利益率 働きがい 働きやすさ
const -0.055 -0.008 *** 0 const 0.002 -0.008 *** 0.002
-0.059 -0.002 -0.002 -0.002 -0.002 -0.002
lag1_ROE -0.464 * 0.03 ** 0.022 * lag1_売上高営業利益率 -0.04 0.05 -0.098 *
-0.258 -0.014 -0.013 -0.075 -0.049 -0.052
lag2_ROE 0.16 0.026 ** 0.005 lag2_売上高営業利益率 -0.101 0.045 -0.057
-0.153 -0.012 -0.011 -0.08 -0.049 -0.05
lag3_ROE 0.126 -0.001 0.01 lag3_売上高営業利益率 0.017 0.028 -0.054
-0.176 -0.009 -0.009 -0.044 -0.043 -0.044
lag1_働きがい -2.154 0.102 ** -0.054 lag1_働きがい 0.011 0.105 *** -0.031
-2.08 -0.04 -0.047 -0.041 -0.036 -0.033
lag2_働きがい -1.112 0.075 * -0.085 * lag2_働きがい 0.024 0.071 -0.055
-1.133 -0.043 -0.044 -0.028 -0.051 -0.039
lag3_働きがい -0.23 0.033 -0.027 lag3_働きがい 0.022 0.05 -0.006
-0.402 -0.03 -0.032 -0.028 -0.034 -0.028
lag1_働きやすさ 1.288 -0.037 0.054 lag1_働きやすさ 0.053 -0.024 0.041
-1.278 -0.047 -0.05 -0.044 -0.039 -0.042
lag2_働きやすさ 0.99 0.006 0.083 * lag2_働きやすさ 0.087 * 0.01 0.047
-0.789 -0.045 -0.047 -0.046 -0.038 -0.04
lag3_働きやすさ 0.752 -0.041 0.014 lag3_働きやすさ 0.105 ** 0.003 0.018
-0.752 -0.044 -0.049 -0.041 -0.039 -0.044
~ 売上高変化率 働きがい 働きやすさ 売上原価変化率 働きがい 働きやすさ
const 0.01 -0.009 *** 0.002 const 0.015 -0.008 *** 0
-0.006 -0.002 -0.002 -0.009 -0.002 -0.002
lag1_売上高変化率 -0.087 0.005 -0.007 lag1_売上原価変化率 -0.022 0.003 0
-0.07 -0.01 -0.01 -0.053 -0.007 -0.007
lag2_売上高変化率 -0.131 ** -0.008 -0.001 lag2_売上原価変化率 -0.069 0.004 0.003
-0.058 -0.013 -0.012 -0.043 -0.008 -0.011
lag3_売上高変化率 -0.055 * -0.003 -0.012 lag3_売上原価変化率 0.025 0 0.004
-0.03 -0.009 -0.01 -0.035 -0.006 -0.009
lag1_働きがい 0.142 0.091 *** -0.041 lag1_働きがい 0.119 0.107 *** -0.043
-0.119 -0.033 -0.032 -0.169 -0.033 -0.036
lag2_働きがい 0.091 0.057 -0.052 lag2_働きがい 0.269 0.085 * -0.048
-0.114 -0.046 -0.037 -0.184 -0.045 -0.039
lag3_働きがい 0.277 *** 0.021 -0.008 lag3_働きがい 0.349 ** 0.011 -0.029
-0.101 -0.032 -0.03 -0.152 -0.032 -0.032
lag1_働きやすさ 0.137 0.009 0.054 lag1_働きやすさ -0.167 -0.003 0.048
-0.154 -0.037 -0.038 -0.24 -0.039 -0.043
lag2_働きやすさ 0.045 0.013 0.052 lag2_働きやすさ -0.214 0.002 0.075 *
-0.127 -0.035 -0.039 -0.202 -0.039 -0.044
lag3_働きやすさ 0.084 0.009 0.032 lag3_働きやすさ -0.156 -0.007 0.019
-0.126 -0.038 -0.043 -0.185 -0.036 -0.049
~ 配当性向 働きがい 働きやすさ サステイナブル成長率 働きがい 働きやすさ
const 0.083 ** -0.007 *** 0 const -0.058 -0.008 *** 0
-0.039 -0.002 -0.002 -0.06 -0.002 -0.002
lag1_配当性向 -0.082 -0.001 0.004 lag1_サステイナブル成長率 -0.424 * 0.03 ** 0.017
-0.11 -0.003 -0.005 -0.247 -0.014 -0.013
lag2_配当性向 0.054 -0.002 0.002 lag2_サステイナブル成長率 0.109 0.023 * 0.01
-0.055 -0.003 -0.003 -0.149 -0.012 -0.011
lag3_配当性向 0.169 0 0.002 lag3_サステイナブル成長率 0.172 -0.004 0.009
-0.116 -0.003 -0.003 -0.207 -0.008 -0.008
lag1_働きがい 0.627 0.09 ** -0.045 lag1_働きがい -2.286 0.105 ** -0.043
-0.991 -0.045 -0.044 -2.127 -0.048 -0.039
lag2_働きがい 0.238 0.071 -0.051 lag2_働きがい -1.212 0.078 * -0.077 **
-0.642 -0.051 -0.045 -1.147 -0.043 -0.038
lag3_働きがい 0.402 0.058 -0.029 lag3_働きがい -0.261 0.032 -0.015
-0.725 -0.037 -0.036 -0.417 -0.03 -0.032
lag1_働きやすさ 1.533 0.001 0.041 lag1_働きやすさ 1.253 -0.038 0.067
-1.085 -0.047 -0.051 -1.249 -0.043 -0.05
lag2_働きやすさ 1.25 -0.008 0.049 lag2_働きやすさ 0.848 -0.015 0.071
-0.969 -0.045 -0.051 -0.716 -0.04 -0.044
lag3_働きやすさ 2.464 ** -0.034 0.008 lag3_働きやすさ 0.694 -0.035 -0.004
-1.023 -0.052 -0.056 -0.67 -0.038 -0.047

PVARによる推定係数値を示す. 有意性記号(***,**,*)はそれぞれ有意水準1%, 5%, 10%, を示す. 括弧内は推定係数値の標準誤差である. constは定数項であり, 例えば時点tでの働きがいに対して, ラグ1年(l=1)のROEであるlag1_ROEが5%有意水準で統計的に有意に寄与しており, その推定係数値が0.030, 標準誤差が0.014 であることを示す.

表 3は時点tの内生変数に対して, 過去の値であるラグl{1,2,3}の内生変数それぞれの寄与がどの程度あるかを表している. つまり時点tの現在の内生変数に対してtlで表される過去の内生変数がどのように寄与しているのか, を表す. 表中の数値および記号は, 推定係数値, 括弧内は推定係数値の標準誤差, 有意性記号(***,**,*)はそれぞれ有意水準1%, 5%, 10%を表す. 財務指標については, ROEは当期利益/(前期・当期自己資本平均値), 売上高営業利益率は営業利益/売上高, 配当性向は配当/当期利益, サステイナブル成長率はROE×(1-配当性向)とし, それぞれに対して働きがい修正スコア変化, 働きやすさ修正スコア変化を加えた3変数PVARを合計6種類推定し分析を行った.

表 3を見ると, まずラグ1のROE(lag1_ROE), ラグ2のROE(lag2_ROE)が時点tの働きがいに対して統計的に有意にプラスに寄与している. またサステイナブル成長率(lag1_サステイナブル成長率およびlag2_サステイナブル成長率) も同様に時点tの働きがいに統計的に有意にプラスに寄与している. サステイナブル成長率は企業の利益がどの程度内部投資に回るかを表しており, 仮説として内部投資が増加することで新規事業などへの投資も増加し, 従業員のモチベーション等を含む働きがいが向上することが考えられる.

働きがいを基点とした場合, ラグ3の働きがい修正スコア変化(lag3_働きがい)は, 時点tの売上高変化率に対して統計的に有意にプラスに寄与している. 同時に, 時点tの売上原価変化率に対しても統計的に有意にプラスに寄与している. つまり, 働きがいの上昇はその後の企業規模の成長の要因となっていると考えられる.

次に働きやすさの変化に焦点を当てた場合, ラグ2,3の働きやすさ修正スコア変化(lag2_働きやすさおよびlag3働きやすさ)は, 時点tの売上高営業利益率に対して統計的に有意にプラスに寄与する. これは [山田, 臼井, 後藤, 2017]との結果とも整合的である. また,ラグ3の働きやすさ修正スコア変化(lag3_働きやすさ)が時点tの配当性向に対して統計的に有意にプラスに寄与している点も興味深い. 働きやすさの向上は企業の成熟を促しており, そのため配当性向の上昇に繋がっているものと推察される.

表 3によると, 過去の従業員の働きがいは企業の売上高をはじめとした現在の成長性に, 過去の従業員の働きやすさは営業利益率等の収益性に寄与すると考えられる. また, サステイナブル成長率で表した企業の内部投資は, 従業員の働きがいを向上させることが示唆される. 本研究では企業財務の内生性を排除するため, 参照ポートフォリオ対比での超過財務を考えさらに自己回帰項を含めたが, それであっても完全に内生性を排除できているとは限らないことに注意が必要である.

働きがいや働きやすさの変化が企業財務に影響を与えるのは2∼3年程度の遅れがある. 逆にサステイナブル成長率が働きがいに影響を与える時間差は1∼2年程度である. これは働きがいや働きやすさは従業員一人一人から生じるボトムアップな効果であり, サステイナブル成長率で表される内部投資の増加は企業の経営層から落とし込まれるトップダウンな効果であるためと考えられる.

5.2. 株式パフォーマンスとの関連性の分析

働きがい・働きやすさが企業財務に与えた影響が決算として顕在化するまでにおよそ2∼3年程度の遅れが観測される. 過去の働きがいの向上は現在の企業の成長性に, また過去の働きやすさの向上は現在の企業の収益性に寄与している. そのため, 働きがい・働きやすさが向上してから実際の決算に影響を与えるまでの間, 株式市場においてはそのような企業に対してミス・プライシングが生じている可能性がある. その検証のため, 毎年3月末の前年同月時点での修正スコア変化を用いて, 働きがい・働きやすさについて改善・安定・悪化の3×3=9分位ポートフォリオを構築し1年間保有する. 例えば2011年3月時点の分位ポートフォリオは, 2009年3月から2010年3月の修正スコア変化を用いて構築される. 分位ポートフォリオ内の銘柄を毎年入れ替えながら2011年3月から2019年3月まで運用する. 当年の修正スコア変化ではなく前年同月の修正スコア変化を用いる理由は, 当年の修正スコア変化は企業財務の影響を一定程度受けてしまうことが示唆されるためである. 構築した分位ポートフォリオのうち, 改善 × 改善のポートフォリオ及び悪化 × 悪化のポートフォリオに注目する. 表 4にポートフォリオ内の加重を時価総額加重・等金額加重とした場合の, それぞれのFama-French 5 Factor Modelによる分析の結果を示す.

表 4 Fama-French 5 Factor Modelによる推定結果
  時価総額加重 等金額加重
変数 悪化悪化 改善改善 悪化悪化 改善改善
α(年率%) 0.312 8.481 *** 1.707 5.724 ***
t値 (0.112) (3.088)   (0.733) (2.957)
MKT 0.998 *** 0.915 *** 1.041 *** 0.887 ***
t値 (18.629) (17.918)   (23.321) (24.361)
SMB -0.209 * -0.028 0.277 *** 0.212 ***
t値 -(1.814) -(0.259)   (2.894) (2.716)
HML -0.064 -0.272 ** 0.036 -0.065
t値 -(0.498) -(2.214)   (0.336) -(0.738)
RMW 0.203 -0.066 0.445 ** 0.119
t値 (0.896) -(0.304)   (2.355) (0.772)
CMA 0.132 0.107 0.303 ** -0.017
t値 (0.729) (0.618)   (2.004) -(0.141)
修正決定係数 0.837   0.824   0.873   0.890  

有意性記号(***,**,*)はそれぞれ有意水準1%, 5%, 10%を示す.

時価総額加重とはポートフォリオ内の各銘柄をそれぞれの時価総額比にて保有する方法である. 等金額加重とはポートフォリオ内の各銘柄を等金額にて保有する方法である. 時価総額加重では, そのポートフォリオ価格変動は時価総額が大きい大型銘柄の価格変動の影響を受けやすく, 等金額加重では時価総額によらず各個別銘柄の価格変動の影響を同じように受ける.

Fama-French 5 Factor Modelは, あるポートフォリオのリターンの時系列変動を市場変動だけではなく, 企業規模と時価簿価比率などにより説明するモデルであり, ポートフォリオのリターンを被説明変数とし, 市場変動(MKT)に加えて企業規模(SMB)と時価簿価比率(HML), 収益性(RMW)と投資(CMA)に関するファクターを説明変数として時系列回帰分析を行う. その結果, 切片項であるαが統計的に有意となる場合, 考慮した説明変数では捕捉できない超過リターン(ミス・プライシング)が存在することを表す. MKTファクターについてはTOPIX リターンを用いた. その他のファクターについてはKen.FrenchのWeb サイト(http://mba.tuck.dartmouth.edu/pages/faculty/ken.french/data_library.html) より取得した.

表 4を見ると, 加重方式を変えたとしても改善 × 改善のポートフォリオには統計的に有意な正の超過リターンが観測される. 逆に悪化 × 悪化のポートフォリオには超過リターンは観測されない. このことは, 少なくともFama-French 5 Factor Modelの考慮するファクター群では捕えられないファクターの存在を示唆しており, 働きがい・働きやすさが改善 × 改善となる企業群について, 株式市場でのミス・プライシングが生じていることを示唆している.

図 2 前年働きがい・働きやすさ修正スコア変化が共に改善したポートフォリオ

表 5 分位ポートフォリオ銘柄数
入替月末 当分位銘柄数 全銘柄数
2011/03 9 49
2012/03 10 97
2013/03 13 168
2014/03 23 226
2015/03 41 345
2016/03 61 480
2017/03 84 667
2018/03 96 861

図 2及び表 5にTOPIX及び改善 × 改善ポートフォリオのインデックス時系列と, 銘柄入替時点での当該ポートフォリオ及び全分位の銘柄数を示す.

次に働きがい・働きやすさそれぞれでの改善・悪化でのポートフォリオのパフォーマンスを見る. 前年同月修正スコア変化の認識時点を当月から12ヶ月前までずらしながら, 働きがいのみ及び働きやすさのみ, 及び組み合わせた場合の分位ポートフォリオを構築し, Fama-French 5 Factor Modelを用いてαの統計的有意性を見る. 表 6にラグ月数を変えたそれぞれの年率%換算での α を示す. ラグ月数=12のものが表 4の時価総額加重に対応する. 表 6を見ると, 改善 × 改善のポートフォリオは過去9ヶ月から12ヶ月の遅れを持って統計的に有意な α をもたらすことが示唆される. 働きがいに注目した場合, 改善ポートフォリオは0ヶ月から4ヶ月程度の遅れとなり, 修正スコア変化の改善の認識から比較的早い段階で株価へと影響を与えることが分かる. この結果は, (Green, Huang, Wen, & Zhou, 2019)や (Symitsi, Stamolampros, & Daskalakis, 2018)にて報告されている結果と整合的である. 一方働きやすさに注目した場合, 悪化ポートフォリオ, 改善ポートフォリオ共に統計的に有意な α は観測されない. これはWork Life Balanceが株価に影響を与えないとした (Green, Huang, Wen, & Zhou, 2019)と整合的な結果である.

表 6 FF5 Factor Modelによる働きがい・働きやすさ修正スコア変化の分位ポートフォリオのα(時価総額加重)
働きがい 悪化   改善   悪化   改善          
働きやすさ 悪化   改善           悪化   改善  
ラグ月数 α(年率%)   α(年率%)   α(年率%)   α(年率%)   α(年率%)   α(年率%)  
0 -1.660 -0.016 1.002 3.376 ** -1.194 2.632
1 -1.176 7.521 ** -0.898 5.399 *** 0.801 2.310
2 0.314 2.394 0.228 4.525 *** -0.345 0.467
3 1.435 2.924 0.425 4.399 *** 0.374 0.770
4 -1.417 4.669 * -0.718 4.132 ** -1.100 1.165
5 1.660 2.173 -1.310 2.508 -0.291 1.576
6 0.623 1.620 1.292 1.713 0.627 1.114
7 -0.970 3.381 0.838 1.554 0.237 1.678
8 -0.827 2.124 -1.870 4.034 ** -0.993 1.000
9 0.268 7.390 ** -1.149 4.251 ** 0.346 1.504
10 -2.571 7.463 ** -0.993 2.950 -0.710 1.658
11 -4.186 * 9.806 *** -2.536 4.758 ** -0.322 2.512
12 0.312 8.481 *** 0.523 2.876 0.734 2.118

改善 × 改善ポートフォリオと働きがい改善, 働きやすさ改善のそれぞれ単独のポートフォリオを比較する. 働きがい改善ポートフォリオでは0ヶ月から4ヶ月程度の遅れで統計的に有意な α が観測されるのに対して, 改善 × 改善ポートフォリオでは同時期の α の統計的な有意性は高くない. また逆に, 改善 × 改善ポートフォリオでは9ヶ月から12ヶ月程度の遅れで統計的に有意な α が観測されるのに対して, 働きがい改善ポートフォリオでは同時期の α の統計的な有意性は高くない.

この要因を分析するために, 働きがい改善および悪化ポートフォリオの月次リターンを用いて計算した MMU (Motivative Minus Unmotivative) ファクターと, 働きやすさ改善および悪化ポートフォリオの月次リターンを用いて計算した EMD (Easy Minus Difficult) ファクターをFama-French 5 Factor Modelに加えた回帰モデルを構築する. MMUファクターは働きがい改善時価総額加重ポートフォリオの月次リターンから悪化ポートフォリオの月次リターンを引いたものであり, EMDファクターは働きやすさ改善時価総額加重ポートフォリオの月次リターンから悪化ポートフォリオの月次リターンを引いたものとしてそれぞれ定義した.

表 7にラグ月数を変えた場合に被説明変数を改善 × 改善ポートフォリオの月次リターンとした場合のFF5 + MMU, EMD Factor Modelの分析結果を示す. 表 7を見ると, 表 6で0ヶ月から4ヶ月程度の遅れで観測されていた改善 × 改善ポートフォリオの α は消失する. つまり表 6で観測されていた α は, MMUファクター及びEMDファクターで表される単独の働きがい改善及び働きやすさ改善という要因で説明できるということである. 一方で, 表 7では表 6で10ヶ月から12ヶ月程度の遅れで観測されていた改善 × 改善ポートフォリオの α は消失しない. つまり表 6の 10ヶ月から12ヶ月程度の遅れで観測されていた α には, 働きがい改善及び働きやすさ改善単独では説明できない要因が含まれることを示している. そのため, 働きがいと働きやすさが両方同時に改善することで, 一定の遅れをもってそのポートフォリオに統計的に有意な正の超過リターンをもたらすことが示唆される.

表 7 FF5+MMU,EMD Factorによるラグ月数別の改善改善ポートフォリオの分析(時価総額加重)
ラグ月数 α(年率%) MKT SMB HML RMW CMA MMU EMD adjR2
0 -1.798 0.964 *** 0.105 -0.213 ** 0.033 0.332 ** 0.419 *** 0.216 ** 0.887
(-0.835) (21.908) (1.187) (-2.145) (0.192) (2.352) (5.135) (2.006)
1 3.046 0.954 *** -0.144 -0.129 0.102 0.086 0.521 *** 0.708 *** 0.913
(1.345) (21.405) (-1.575) (-1.21) (0.55) (0.575) (6.137) (6.781)
2 0.566 0.998 *** -0.117 0.198 * 0.647 *** 0.033 0.372 *** 0.292 ** 0.878
(0.234) (20.327) (-1.159) (1.703) (3.255) (0.199) (3.576) (2.377)
3 0.558 0.957 *** -0.219 *** 0.005 0.357 *** 0.061 0.559 *** 0.397 *** 0.937
(0.343) (30.381) (-3.268) (0.068) (2.651) (0.572) (7.313) (5.155)
4 0.999 0.991 *** -0.188 *** -0.139 * 0.216 0.003 0.603 *** 0.308 *** 0.938
(0.575) (29.957) (-2.64) (-1.668) (1.531) (0.03) (8.485) (4.298)
5 0.007 1.026 *** 0.08 -0.042 0.224 0.034 0.384 *** 0.37 *** 0.924
(0.004) (29.153) (1.034) (-0.477) (1.482) (0.28) (4.887) (4.595)
6 1.112 1.048 *** -0.294 *** -0.2 ** 0.225 0.127 0.736 *** 0.407 *** 0.932
(0.583) (27.917) (-3.727) (-2.182) (1.451) (1.004) (9.547) (5.085)
7 2.498 1.045 *** -0.362 *** -0.136 0.258 0.153 0.734 *** 0.239 *** 0.919
(1.222) (26.123) (-4.277) (-1.392) (1.554) (1.157) (8.196) (2.697)
8 -1.443 1.069 *** -0.179 * -0.109 0.5 ** 0.465 *** 0.474 *** 0.392 *** 0.875
(-0.566) (21.749) (-1.704) (-0.846) (2.42) (2.798) (4.729) (3.478)
9 3.335 1.013 *** -0.17 -0.034 0.341 0.292 * 0.601 *** 0.578 *** 0.866
(1.241) (19.893) (-1.554) (-0.273) (1.621) (1.727) (4.9) (4.655)
10 3.926 * 0.934 *** -0.218 ** -0.186 * 0.109 0.076 0.571 *** 0.48 *** 0.891
(1.82) (22.286) (-2.454) (-1.85) (0.637) (0.536) (6.994) (4.98)
11 5.237 ** 0.989 *** -0.228 ** 0.114 0.458 ** 0.086 0.375 *** 0.557 *** 0.901
(2.281) (22.934) (-2.537) (1.093) (2.581) (0.605) (4.461) (5.405)
12 6.948 *** 0.938 *** -0.152 -0.256 ** -0.048 0.094 0.435 *** 0.311 *** 0.868
(2.921) (20.299) (-1.556) (-2.382) (-0.256) (0.62) (4.941) (2.935)

働きがいと働きやすさが両方同時に改善することで, 一定の遅れをもってポートフォリオに統計的に有意な正の超過リターンをもたらすことを確認するために, Fama-MacBeth回帰 (Fama & MacBeth, Risk, return, and equilibrium: Empirical tests, 1973) を用いて検証を行う. 具体的には各企業の翌月のリターンを被説明変数, 説明変数に「一定の遅れ」をもって「働きがいと働きやすさが同時に改善した」ことを表す変数 (MAW) に加え, コントロール変数を [西家 津田, 2018]を参考に時価総額規模(SIZ), 株価純資産倍率(PBR), 売上高純利益率(SER), 3, 6, 12ヶ月モーメンタム(MOM3, MOM6, MOM12), 12ヶ月ボラティリティ(VOL12) としたクロスセクション回帰を毎月行い, 各月の推定係数値の累積和と時系列平均の評価を行う. また, 財務データについては各月に認識できる最新の本決算値を用いることとし, 各説明変数は同一月内で平均0分散1となるように標準化を行う. 分析対象期間は2011年3月末から2019年3月末とした.

「働きがいと働きやすさが同時に改善した」ことを一つの変数にて表現するために, まず時点 t に存在する企業の働きがい修正スコア変化DVCti(M)と働きやすさ修正スコア変化DVCti(W)について[0,1]の範囲となるように同月内パーセンタイル点を計算し, それぞれPSti(M),PSti(W)とおく. その後各企業について両者の和を取り, さらに同一月内にてパーセンタイル点を計算することで一様化した変数をMAWtiとする. これにより, 働きがいスコアと働きやすさスコアが同時に改善した場合のMAWti値は増加する.

「一定の遅れ」を表現するため, MAWについてラグ月数0, 6, 12ヶ月をとり, それぞれラグ月数についFama-MacBeth回帰を行う.

表 8から表 10MAWのラグ月数を0, 6, 12ヶ月とした場合のFama-MacBeth回帰の結果を示す. 各行の括弧内は t値であり, 有意性記号(***, **, *)はそれぞれ有意水準1%, 5%, 10%を表す. また, 表 10MAWのラグ月数12ヶ月でのモデル(4)の係数値の累積和を図 3に示す.

これらの結果を見ると, ラグ月数が0, 6ヶ月では働きがいと働きやすさが同時に改善することを表すMAWについて統計的な有意性は確認されない一方で, ラグ月数が12ヶ月のモデル(4)ではMAWについて5%有意水準にて統計的有意性が確認される.

そのため働きがいと働きやすさは両方同時に改善することで, 一定の遅れをもってポートフォリオに統計的に有意な超過リターンをもたらすと考えられる.

図 3 MAWラグ12ヶ月でのモデル(4)の係数累積和

表 8 MAWラグ月数=0ヶ月でのFama-MacBeth回帰結果
  (1) (2) (3) (4)
切片項 0.0142 *** 0.0142 *** 0.0142 *** 0.0142 ***
  (3.158)   (3.155)   (3.157)   (3.163)
MAW -0.0003 -0.0005 -0.0005 -0.0005
  (-0.558)   (-0.879)   (-0.886)   (-0.948)
SIZ -0.0057 *** -0.0052 *** -0.0053 *** -0.0049 ***
  (-4.046)   (-3.925)   (-3.996)   (-3.947)
PBR -0.0028 -0.0032 -0.0034 -0.0032
  (-1.227)   (-1.462)   (-1.545)   (-1.647)
SER 0.0015 0.0016 0.0016 * 0.0018 **
  (1.553)   (1.598)   (1.715)   (2.042)
MOM01     0.0016 -0.0035 -0.0198
      (1.032)   (-0.620)   (-0.927)
MOM03         0.0047 0.0078
          (0.825)   (0.858)
MOM12             -0.0023
              (-0.620)
VOL12             0.0162
              (1.020)  
表 9 MAWラグ月数=6ヶ月でのFama-MacBeth回帰結果
  (1) (2) (3) (4)
切片項 0.0142 *** 0.0133 *** 0.0134 *** 0.0135 ***
  (3.169)   (2.921)   (2.941)   (3.024)
MAW -0.0002 -0.0001 -0.0000 -0.0000
  (-0.294)   (-0.138)   (-0.048)   (-0.055)
SIZ -0.0055 *** -0.0050 *** -0.0050 *** -0.0046 ***
  (-3.737)   (-3.662)   (-3.645)   (-3.708)
PBR -0.0039 -0.0044 * -0.0045 * -0.0050 **
  (-1.531)   (-1.830)   (-1.896)   (-2.202)
SER 0.0028 *** 0.0028 *** 0.0028 *** 0.0034 ***
  (2.780)   (2.682)   (2.785)   (3.372)
MOM01     -0.0302 -0.0391 -0.0363
      (-0.983)   (-0.987)   (-0.992)
MOM03         0.0093 0.0116
          (1.005)   (1.017)
MOM12             -0.0059
              (-0.881)
VOL12             0.0102
              (1.079)  
表 10 MAWラグ月数=12ヶ月でのFama-MacBeth回帰結果
  (1) (2) (3) (4)
切片項 0.0145 *** 0.0136 *** 0.0138 *** 0.0138 ***
  (3.160)   (2.923)   (2.950)   (3.026)
MAW 0.0009 0.0010 0.0010 0.0014 **
  (1.200)   (1.410)   (1.409)   (2.022)
SIZ -0.0054 *** -0.0049 *** -0.0049 *** -0.0041 ***
  (-3.600)   (-3.562)   (-3.482)   (-3.179)
PBR -0.0016 -0.0023 -0.0025 -0.0026
  (-0.674)   (-0.984)   (-1.109)   (-1.142)
SER 0.0021 * 0.0019 * 0.0020 * 0.0030 ***
  (1.858)   (1.729)   (1.777)   (2.735)
MOM01     -0.0302 -0.0363 -0.0321
      (-0.989)   (-0.981)   (-0.989)
MOM03         0.0064 0.0083
          (0.945)   (0.951)
MOM12             -0.0073
              (-0.892)
VOL12             0.0170
              (1.141)  

6. おわりに

本研究では従業員クチコミサイトであるOpenWorkに寄せられた従業員クチコミのうち,「働きがい」と「働きやすさ」に関するカテゴリのクチコミを抽出し, それらを代替情報として, 上場企業の従業員の働きがいと働きやすさをテキストマイニング・機械学習を用いて定量化し, 時系列スコアを生成した. そして従業員の感じる働きがいと働きやすさの改善・悪化という変化が, どのように企業業績及び株式パフォーマンスに影響を与えているのか, また企業業績がそれらにどのような影響を与えているのか, を分析した. 本研究の特徴は, 働きがい・働きやすさを時系列スコアとしたことにより, それらの改善・悪化という変化を利用した点, 及びPVARを用いた企業財務との相互関連性の分析を行った点である. 分析の結果, 従業員の働きがいの改善・働きやすさの改善は, 一定の遅れを持って企業の成長性及び収益性に影響を与える一方で, 企業の内部投資は従業員の働きがいを向上させることが示唆された. また, Fama-French 5 Factor Model及びFama-MacBeth回帰による働きがい・働きやすさの改善 × 改善ポートフォリオの分析により, それぞれの改善から決算までの間には, 統計的に有意な正の超過リターンが観測され, このような企業群では株式市場においてミス・プライシングが生じていることが観測された. また働きがいのみで見た場合, その遅れは短くなることが観測され, 働きやすさ単独の改善は株価リターンに対して影響を与えないことが分かった. そして, 10ヶ月から12ヶ月程度の遅れをとった働きがい改善 × 働きやすさ改善ポートフォリオでは, それぞれの単独の改善だけではなく, それらが同時に改善することによる統計的に有意な正の超過リターンが観測された.

本研究は従業員の働きがい・働きやすさを個別に扱い, 企業業績との相互関連性を時系列かつ定量的に分析した研究であり, 筆者らが知る限り初めての研究である. 一方で課題もある. 第一に [西家 津田, 2018]でも指摘されるような, 従業員クチコミ特有のバイアスの適切な処理が必要である. 特に働きがいや働きやすさは年収や職位や業種, 及び性別などに強く影響を受けると考えられ, これらの補正が必要である. 第二に本研究で対象とした期間は主に景気の上昇局面であり, また時系列分析としては時系列データポイントが少ない点が挙げられる. 景気後退局面等を含めた長期時系列での分析が必要と考えられる. 第三に働きがいと働きやすさの両者の改善が1年程度の遅れをもって株式市場に反映されるのに対して, なぜ働きがい単独の改善が影響を与えるのは0から4ヶ月程度の遅れであるのか, またなぜ働きやすさ単独の改善が影響を与えないのか, そして10ヶ月から12ヶ月程度の遅れの働きがい改善 × 働きやすさ改善ポートフォリオでは単独の改善の効果だけではなく同時に改善するという効果による超過リターンが含まれるのか, という点についてより細かい分析が必要であると考えられる. 第四に「働きがい」「働きやすさ」は, 「モチベーション」及び「成長機会」や「ワークライフバランス」及び「女性の働きやすさ」だけで完全に説明されるものではない. そのため, 「働きがい」「働きやすさ」に関するより細かい要素分解が必要であると考えられる.

謝辞

本稿の執筆にあたり、オープンワーク株式会社の皆様にはデータの提供のみならず多大なご支援を賜った。また、本誌匿名のレフェリーの方々にはたいへん示唆に富む貴重なご意見を頂いた。ここに記して深く御礼申し上げたい。なお、本稿の内容に含まれる誤りは全て筆者らに帰するものであり、筆者らが所属する組織の公式見解ではない。

Footnotes

1 本研究ではあくまでクチコミ文章情報からのみ見いだされる一つの側面としての「働きがい」「働きやすさ」をスコアとして定量化している. そのため, 必ずしも「働きがい」「働きやすさ」について完全な定量化を行っているわけではない点に注意が必要である.

2 https://www.vorkers.com/

3 詳細な参照ポートフォリオの構築方法は割愛した. 簡単には同業種でかつ比較対象とする財務が過去に似ていた先の集団を参照ポートフォリオとして採用するパフォーマンスマッチングを用いている.

参考文献
 
© 2021 The Japanese Association of Financial Econometrics and Engineering
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