日本食品低温保蔵学会誌
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輸送シミュレーション試験におけるピオーネの振動特性と脱粒防止法
永井 耕介浜田 憲一小河 拓也中川 勝也
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1996 年 22 巻 4 号 p. 223-229

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抄録

IMV製振動試験機を用いて, 無核ピオーネ (Vitisvinifera x V.labrusca) の振動特性を明らかにするとともにKT-30 (合成サイトカイニン) 液剤処理, 緩衝材利用による脱粒防止効果を検討した。
(1) JIS規格の振動条件でブドウの果実や房が激しく振動することが確認された。垂直振動よりも水平振動で果実は激しく揺れた。
(2) 垂直振動での果実の周波数特性 (1.OG) は5Hzで果粒が振動し, 9~11Hzで房が激しく揺れた。加速度特性 (10Hz) は0.2Gで果粒が振動し, 0.6Gで房が激しく揺れ, 1.0Gで激しく, 大きく揺れ, 1.4Gで脱粒が発生した。水平振動では垂直振動に比べてより低い周波数で激しく揺れた。
(3) KT-30液剤を処理したものは振動直後の脱粒はみられなかったが振動2日後では少し脱粒がみられた。しかし, 脱粒数はKT-30処理を行わないものに比べて, 半数以下であった。この脱粒抑制はKT-30液剤処理による果粒の引っ張り強度の増加による。
(4) 高濃度のKT-30剤処理では果実の着色遅延や糖度糖度/酸比が低くなるので実用的な濃度としては5ppmが適切と考えられる。
(5) 緩衝材 (発泡スチロール製ネット) の利用は振動直後及び振動2日後における脱粒を1/2以下に減少させた。
(6) KT-30液剤処理と緩衝材利用の複合技術で脱粒をさらに抑制することができる。また, KT-30液剤処理を行えば, 収穫が遅れても脱粒が少ないので収穫期間の拡大技術としても利用できる。

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