無核シークヮーサー系統 (無核) と現在の主要な栽培系統である'クガニ'の果実特性および果実のPMF含量を分析し, 比較した。9-12月の生育期間において'無核'には種子は存在しなかった。果実の肥大や酸含量の減少から'無核'は'クガニ'に比べ早熟の系統であると考えられ, 糖酸比の上昇から'クガニ'よりも1か月早く果汁の加工に利用できる系統であることが示唆された。一方, 果実のPMF含量を果肉と果皮に分けて分析した結果, 系統の違いにかかわらずPMFは大部分が果皮に存在することが明らかとなった。また, 果皮のPMF含量は'無核'の果汁加工適期 (10月, 11月) では'クガニ'より多いことから, 機能性成分であるPMFを高含有する果汁の新たな原料になり得ることが示唆された。