日本食品保蔵科学会誌
Online ISSN : 2186-1277
Print ISSN : 1344-1213
ISSN-L : 1344-1213
無核シークヮーサーの果実特性とポリメトキシフラボノイド
和田 浩二神里 奈津子高良 健作當銘 由博矢野 昌充石井 利直太田 英明
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 33 巻 1 号 p. 15-20

詳細
抄録

無核シークヮーサー系統 (無核) と現在の主要な栽培系統である'クガニ'の果実特性および果実のPMF含量を分析し, 比較した。9-12月の生育期間において'無核'には種子は存在しなかった。果実の肥大や酸含量の減少から'無核'は'クガニ'に比べ早熟の系統であると考えられ, 糖酸比の上昇から'クガニ'よりも1か月早く果汁の加工に利用できる系統であることが示唆された。一方, 果実のPMF含量を果肉と果皮に分けて分析した結果, 系統の違いにかかわらずPMFは大部分が果皮に存在することが明らかとなった。また, 果皮のPMF含量は'無核'の果汁加工適期 (10月, 11月) では'クガニ'より多いことから, 機能性成分であるPMFを高含有する果汁の新たな原料になり得ることが示唆された。

著者関連情報
© 日本食品保蔵科学会/学術著作権協会
前の記事 次の記事
feedback
Top