Journal of Applied Glycoscience
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ごぼう貯蔵中に新しく生成された還元性フルクトオリゴ糖の単離と構造決定
石黒 陽二郎上野 敬司阿部 雅美小野寺 秀一福士 江里Noureddine Benkeblia塩見 徳夫
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2009 年 56 巻 3 号 p. 159-164

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抄録

新鮮ごぼう根を地下1mの土中で11月から翌年の5月まで6カ月間貯蔵した.この貯蔵ごぼうに末端グルコース残基を有しないフルクトオリゴ糖が新しく生成された.このごぼうから抽出した糖液について電気化学検出器付陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPAEC)分析を行ったところ,糖1は1-kestose (3a)のあとに溶出され,糖2,3はnystose (4a), fructosylnystose (5a)のあとにそれぞれ溶出された.この糖抽出液について活性炭-セライトカラムクロマトグラフィーを行うことにより糖1,2,3を単離した.糖1,2,3はHPAECによる相対保持時間(sucrose = 1),1.55,2.15,2.73を有し,還元末端をそれぞれもっていた.また,糖1,2,3のフルクトースに対する還元糖の比は0.50,0.33,0.25であることとTOF-MS分析の結果から糖1,2,3の重合度は2,3,4であることがわかった.これらの結果と各糖のNMR分析,糖メチル誘導体のGLC分析結果から,糖1,2,3はそれぞれβ-D-fructofuranosyl-(2→1)-β-D-fructopyranose (inulobiose),β-D-fructofuranosyl-(2→1)-β-D-fructofuranosyl-(2→1)-β-D-fructopyranose (inulotriose),β-D-fructofuranosyl-(2→1)-β-D-fructofuranosyl-(2→1)-β-D-fructofuranosyl-(2→1)-β-D-fructo-pyranose (inulotetraose)と同定された.13C-NMR分析により各糖の還元末端フルクトース残基の70-80%がピラノース構造をとることがわかった.それぞれの糖の13C-,1H-シグナルの完全帰属も初めて行った.さらに上述のごぼう貯蔵中に生成されたinulobiose,inulotriose,inulotetraoseと同様の糖が,ごぼうから精製したfructan fructan 1-fructosyltransferase (1-FFT)のフルクトシル転移作用により1-kestoseとD-フルクトピラノースから合成されることを初めて見出した.

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© 2009 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
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