7 巻 (1959) 2 号 p. 61-67
澱粉製造の合理化と歩留の向上を図るため,無孔壁遠心分離機によつて澱粉工場の排液から浮遊澱粉を回収し澱粉製造末期まで一旦貯蔵した摺込寄込両回収澱粉の性状および精製法について検討を行うと共に精製澱粉の品質を試験した。 1.回収澱粉の精製にあたっては,寄込液の濃度およびpHの調整が土肉分離の重要な因子となり,摺込回収澱粉の第1次分離はpH5.0~6.0,Bé9~11。,第12次分離はpH5.0,Bé8~10。が最も良好であった。 2.寄込回収澱粉は寄込タンク中で上水中に分離した土肉が排水に混入するため不純物が多い。したがつてこれが精製を行うにあたつては,高メヅシュ篩によつて不純物をあらかじめ除去し,pH3.6,Bé8~10。で前処理的な寄込を行い,第2次分離をpH5.0,Bé7~9。で行つたものが最も良好であつた。 3.摺込,寄込両回収澱粉の精製に伴う土肉からの澱粉回収は,寄込回収澱粉の精製と同様高メヅシュ篩を通して.pH3.6,Bé7~9。で寄込を行い,第2次分離はPH5.0,Bé6~7。が比較的良好であつた。 4.アルカリ処理によつて回収澱粉中の不純物は可溶性となるが,この際排水中への蛋白質移行量はpHを上げるにつれ増していく。したがつて澱粉の品質も向上するものと考えられるが,pH7.0~8.0においては澱粉が着色するため水洗攪拌を繰返す必要がある。 5.寄込タンクにおける上水中の浮遊澱粉は,寄込後24時間までは急激に減つていくが,24時間以後の沈降速度はきわめてかんまんで,72時間静置で澱粉の沈降はほとんど終るものと考えられる。 6.摺込,寄込両精製澱粉とも粒経はきわめて小さく,1.5~6.0μ(ミクロン)のものが大半を占め摺込回収澱粉の粒経が集約化しているのに反し寄込回収澱粉の粒経分布は広範囲にわたり15μ(ミクロン)以上のものも多数見られた。,