澱粉科学
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多糖類分子鎖間および鎖内包接に関する研究(V)
鈴木 晴男天海 弘荻野 秀一
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28 巻 (1981) 4 号 p. 245-250

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抄録

 (A)ホスト多糖としてジャガイモ澱粉(PS),ゲストアルデヒドとしてベンズアルデヒド(BA)をおもに用いて,標準調製法(Fig.1)で錯体を調製する際に,包接に影響を及ぼす2,3の因子について検討した. (1)乾燥PSを用いる限り,使用した7種の有機溶媒のなかで,メタノールだけがキャリヤー溶媒として有効であった.(2)メタノール中の水分が包接を著しく阻害した.(3)風乾温度40~60℃ で最高の包接量がえられた.(4)BAメタノール溶液の濃度が10~60%の範囲で,ほぼ一定の高い包接量(約110mg/g host)がえられた.(5)11種のアルデヒドについて包接量を比較したところ,炭素原子2個またはそれ以上を含む炭化水素基を側鎖にもたない芳香族アルデヒドが,高い包接量を示した.(6)5種の澱粉(それぞれ未脱脂と脱脂)をホストとして用い包接量を比較した.未脱脂澱粉ではPSが最高包接量を示し,PS以外は脱脂操作により包接量が増大した. (B)標準調製法の風乾操作において,反応混合物組成の経時変化をしらべた.過剰のメタノールがほとんど揮散し,澱粉粒の内部にだけ残存するようになった時点から包接が開始され,使用した条件下では以後約2hrで包接が終了することがわかった. (C)乾燥空気中において,澱粉粒の表面に付着しているアルデヒドは短時日でほとんど全部酸化されてしまったが,粒内に包接されているアルデヒドは長期間ほとんど酸化されることがなかった.

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© 日本応用糖質科学会
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