澱粉科学
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糊化過程における分級馬鈴薯澱粉糊液とそのゲルの物性
山本 和夫菅井 裕子小野垣 俊雄
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1982 年 29 巻 4 号 p. 277-286

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抄録
 1.糊化が進むにつれて,どの分級澱粉も糊液の性状が次のようになることがわかった. (1)流動曲線のパターンがチクントロピー流動,塑性流動,そして,非常に特殊な流動へと変化した. (2)トルク・時間依存性の測定から算出されたT30/T0値が増大した. (3)動的弾性率,動的粘性率がともに減少した. 2.3種の分級澱粉とも95℃ の加熱により塑性流動を示すようになるが,その状態に達するための加熱時間は,澱粉粒径が大きくなるほど短かった. 3.加熱条件が同じ場合,どの加熱区分でも粒径の大きい澱粉試料ほどT30/T0値は大きく,動的弾性率と動的粘性率は小さかった. 4.加熱温度,加熱時間の増加にともない,澱粉ゲルのヤング率は減少した.また,同一加熱条件の場合,澱粉粒径が小さくなるに従い大きなヤング率を示した. 5.種々の温度で加熱して調製した糊からの澱粉ゲルの破壊強度には,各分級試料ともピークが示された.このピークを示す温度は,アミログラムのピーク粘度を示す温度とほぼ一致した. 6.どの加熱条件で糊液を調製した場合でも,大粒子澱粉ゲルの破壊時歪割合は小粒子澱粉の値に比べ大きかった.
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© 日本応用糖質科学会
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