澱粉科学
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生澱粉の直接アルコール発酵の発見とその後の研究について
上田 誠之助
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1987 年 34 巻 2 号 p. 113-118

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抄録

私どもは黒麹アミラーゼが黄麹アミラーゼや麦芽アミラーゼと比較して, 生澱粉を強力に分解できることを見出したので, 黒麹アミラーゼがなぜこのように生澱粉を強く分解できるかの追究と, この強力な生澱粉分解力を応用した生澱粉の無蒸煮アルコール発酵の開発の可能性の追究とを行った.
黒麹アミラーゼが生澱粉を強く分解できる理由として次のことが判明した.
1) 黒麹アミラーゼが黄麹アミラーゼよりグルコアミラーゼを多量に含有する.
2) グルコアミラーゼが生澱粉分解の主役を演ずる.
3) グルコアミラーゼによる生澱粉分解にα-アミラーゼが促進的に作用する.
黒麹アミラーゼを用いての澱粉質原料の無蒸煮アルコール発酵は次のように展開された.
1) 黒麹菌の麸麹を用い甘藷の無蒸煮アルコール発酵を行った.
2) 黒麹菌の液体麹を用い, 白米, トウモロコシの無蒸煮アルコール発酵を行った.
3) グルコアミラーゼ製剤を用い, コーンスターチ, キャッサバ澱粉を使用し, 半連続アルコール発酵を試みた.
4) クモノスカビのグルコアミラーゼ剤を用い甘藷の無蒸煮アルコール発酵を行った.
5) クモノスカビの麩麹を用い, 酵母無添加にて, キャッサバペレットの無蒸煮アルコール発酵を行った.

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© 日本応用糖質科学会
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