澱粉科学
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X線回折およびレオロジー測定による澱粉ゲルの老化過程の比較検討
三好 恵真子粂野 恵子大久保 昌子高橋 雅江中浜 信子
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1992 年 39 巻 4 号 p. 253-260

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抄録

 トウモロコシ,葛,甘薯,馬鈴薯澱粉の20%(w/w)ゲルの老化現象を比較検討するために,2種の保存条件を設定し,X線回折ならびにレオロジー測定を経時的に行って次のような結果を得た. 1)X線回折図形で再結晶化に伴い出現した回折ピークは,経時的に明瞭となった.2)相対回折強度による各試料の結晶化過程の挙動は,結晶形の相違により類別された. 3)貯蔵弾性率は老化の進行に伴い増大したが,初日を25℃ で保存した方が,いずれの試料もその後の増大が顕著に抑制された. 4)損失正接の経時変化は,いずれの試料もよく類似した.すなわち,初日から10℃ で保存すると,tanδ は老化初期にはやや上昇するがその後減少し,初日を25℃で保存すると,1日量以降に急速な増大が見られた. 5)破断歪は各試料ともに経時的に減少し,破断応力は緩慢な上昇傾向を示した. 6)相対回折強度と相対貯蔵弾性率の比較により,結晶化が緩和しても,ゲルの硬化はさらに継続することが示唆された. 7)相対破断歪と相対白度の比較により,老化に伴う破断歪の減少と白度の上昇はほぼ同様な速度で進行することが認められた. 8)老化初期における保存温度は,老化過程全体に影響を及ぼすことが認められた.

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© 日本応用糖質科学会
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