応用糖質科学
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小麦粉の製パン性とドウの物性に及ぼすグルコン酸カルシウムの影響
森田 尚文中村 みつよ浜渦 善一郎豊沢 功
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1994 年 41 巻 4 号 p. 407-412

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抄録
 グルコン酸カルシウムを製パン材料に添加し,ホームベーカリーで製パンすることによりそのローフボリュームへの改良効果を検討するとともに小麦粉ドウ,澱粉に及ぼす効果を検討した.1)グルコン酸カルシウム0.3%の添加により,焼成後のパンの比容積は顕著に増大した.2)混捏中のドウは,カルシウムの添加により太い束状の繊維に組織化された部分が認められ,かつ一次,二次澱粉粒の包み方に変化が認められた.また,DSCによる糊化開始温度,および糊化エンタルピーもカルシウムの添加により減少あるいは低下の傾向を示した.以上の結果,グルコン酸カルシウムの添加によるローフボリュームの改良効果およびドウの粘弾性の変化はグルテンとカルシウムとの架橋結合の形成により引き起こされたものと考えられる.
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© 日本応用糖質科学会
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