Journal of Applied Glycoscience
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沖縄産ヒジキからのフコイダンの分離・同定
城間 力上地 俊徳平良 東紀石原 昌信多和田 真吉田幸 正邦
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2003 年 50 巻 3 号 p. 361-365

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抄録

 沖縄産ヒジキから塩酸溶液により多糖を抽出した.常法により精製した多糖の全糖ウロン酸,灰分および硫酸含量はそれぞれ66.5,13.7,30.8および26.3%であった.構成糖はL-Fuc, D-Gal, D-Glc, D-Man , D-XylおよびD-GlcAで,その比率はL-Fuc:D-Gal:D.Glc:D.Man:DXyl:D-GlcA:H2SO0=5:1:1:0.5:0.5:2:7と:算出された.プルランを標準物質としたゲル濾過法により,ヒジキ精製多糖の分子量は約43,000と見積もられた.精製多糖のIRスペクトルは標本フコイダンと広い波数領域でのよい一致を示し,1H-および13C.NMRスペクトルからL-フコース残基,D-グルクロン酸残基およびアセチル基の存在が確認された.1H-NMRスペクトルより3.linked unsulfated,4-linked unsulfated,3-linked 2-mono-O-sulfated, 4-linked 2-mono-O-sulfatedおよび3-linked 2, 4-di-O-sulfated Lfucopyranoseが存在することが示唆された.

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© 日本応用糖質科学会
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