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地下水学会誌
Vol. 53 (2011) No. 4 P 379-390

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http://doi.org/10.5917/jagh.53.379

短報

本研究では、流域スケール(数km2)における地下水流動条件と地下水中でのNO3-N減衰域との関係を明らかにすることを念頭に置き、瀬戸内海沿岸の同一島内に位置する地形勾配の異なる2つの沿岸農業流域(IKNおよびIKS)を対象とし、特に動水勾配とNO3-N濃度減衰との関係に着目して考察を行った。その結果、1)両流域ともに地下水流動にともなうNO3-N濃度の減衰に加え、pHの上昇および酸化還元電位(ORPSHE)の低下が確認された。さらにCl濃度の分布から、NO3-N濃度の減衰には希釈のみでなく脱窒作用が寄与している可能性が高いことが明らかになった。また、2)NO3-N濃度の減衰は、両流域ともに概ね地形勾配および動水勾配が0.04以下の下流域において顕著である傾向を示したが、最も顕著なNO3-N濃度減衰域は、流域勾配がより大きなIKSでは海岸線近傍のみに存在するのに対し、流域勾配が比較的小さなIKNでは、内陸側の地形勾配が大きく減少する領域においても存在することが示唆された。

Copyright © 2011 公益社団法人 日本地下水学会

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