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地下水学会誌
Vol. 58 (2016) No. 2 p. 165-181

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http://doi.org/10.5917/jagh.58.165

論文

群馬県大間々扇状地における地下水を対象に,水質および炭素同位体組成を指標として,その流動にともなう水質形成機構について検討を行った。本域では地下水は扇頂部から扇端部への流動とともに,Ca-HCO3型からCa-(SO4+NO3) 型への水質組成変化が認められた。これとともにNO3およびSO42-濃度の増加,溶存無機炭素(DIC)濃度の減少,δ13CDIC値の上昇が確認された。これらは扇状地に広く分布する畑地において肥料として使用される硫酸アンモニウムの酸化と,これにともなって生じる脱CO2ガスプロセスおよび岩石・鉱物の溶解プロセスにより整合的に説明できる。水田が広がる扇端部では地下水のEC値が急激に減少する傾向が認められた。これは水田に湛水する農業用水が地下水に混合することにより生じていると考えられた。扇端北部地下水についてClを指標としてその混合割合を求めたところ,約80%という高い割合で田面水が地下水に寄与していると解釈された。

Copyright © 2016 公益社団法人 日本地下水学会

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