地下水学会誌
Online ISSN : 2185-5943
Print ISSN : 0913-4182
ISSN-L : 0913-4182
論説
環境トレーサーを用いた地表水と地下水の交流研究の現状
土原 健雄吉本 周平皆川 裕樹白旗 克志石田 聡
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 60 巻 2 号 p. 169-192

詳細
抄録

水循環を構成する重要な要素の一つである地表水と地下水の交流を扱う研究について,掲載論文数の推移,対象地やその地域的特徴,用いられる手法による分類から直近10年間の研究動向を紹介する。また,水文観測やモデル解析と同様,水文情報を提供し,地表水と地下水の交流を理解することを可能とする環境トレーサー法について,トレーサーの種類や対象スケールによる分類からその特徴を述べる。環境トレーサーを用いた研究は,広域の地域・流域レベルでの研究への適用が多いことが示された。一方で,河川間隙水域での交流のような局所的な現象に焦点を当てた研究が2000年代以降増加している。今後は,複雑な地表水と地下水の交流の水文過程を説明していく上で,異なる水文条件や試験地での環境トレーサーの適用の拡大,新たなトレーサーの現地適用,空間的・時間的スケールに合わせてトレーサーを選択し,適用する方法の構築が必要といえる。

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 日本地下水学会
前の記事 次の記事
feedback
Top