宮崎市の中心部においては都市化が進んでいる.一方.降水量の減少傾向はないにもかかわらず.観測された不圧地下水位は徐々に低下している.この不圧地下水位の低下は.都市化によって水循環が変化していることを示すものである.しかし.宮崎市における地表面の被覆状況の変化と地下水位変動の因果関係は解析的に明らかにされていない.
そこで本論文では.宮崎市中心部の不圧地下水を対象にして.修正したタンクモデルと不浸透面積率を用いて.不圧地下水の水位低下が地表面の被覆状況の変化に起因することの立証を検討した.不浸透面積率が測定されている1982年から1996年までの期間について不圧地下水の変動が解析された.その結果.同一のタンクパラメータを用い.不浸透面積率だけを変えることで.この期間の不圧地下水の水位低下を説明できることが確かめられた.