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地下水学会誌
Vol. 45 (2003) No. 2 p. 115-132

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http://doi.org/10.5917/jagh1987.45.115


宮古群島中,宮古島,池間島,伊良部島の陸水について地球化学的研究を行った.試料は主として地下水(井戸水,湧水,洞穴水,地下ダム水など)で1994年7月28日から8月1日の問に75地点から採取された.
宮古島の西および南海岸の湧水や海岸近くの井戸水と洞穴水,池間島の井戸水,および伊良部島の井戸水と洞穴水はNa-C1型の水質を示し,海水・海塩粒子の影響を受けている.宮古諸島の地下水と気相間の平衡炭酸ガス分圧PCO2は10-2.86~10-1.36atmの範囲にあり,それらの算術平均値10-1.79は沖縄島の石灰岩地域における湧水の値にほとんど等しかった.Ca2+およびHCO3-濃度が高かったのは,高い分圧のCO2と琉球石灰岩との反応によると思われる.ケイ酸塩や粘土鉱物との平衡関係を調べると,地下水はカオリナイトの安定領域に入った.
全体としてNO3--Nは高濃度であったが,市街地,農村集落,農耕地および森林内の地下水で濃度の違いが明瞭であった.硝酸性窒素濃度の高い水は化学肥料や生活排水の影響を受けていると思われる.多くの試料でSO4/Cl比の値は海水におけるその比の値よりも高く,Ca-SO4・HCO3型の水質もみられた.宮古諸島の地下水には,八重山群島中の波照間島や与那国島の水に比べて化学肥料が大きく寄与していると思われる.
PO43--P濃度が高い試料で過剰K+濃度(非海塩起源)が高くなる試料がいくつかあった.これらは,人間活動の影響を受けていると思われる.

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