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地下水学会誌
Vol. 45 (2003) No. 4 p. 391-407

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http://doi.org/10.5917/jagh1987.45.391


従来,広域地盤沈下を予測するための理論が古くから展開されてきているが,昨今多くの地域で認められている,“地下水位の季節的変動”を考慮した沈下予測の方法の多くは,地下水流動と地盤の変形を同時に取り扱う数値計算手法であり,地盤沈下現象を詳細に再現できる反面多くの地下水地盤情報を必要とする.地盤沈下地域の多くは過去多数の観測点を設けて継続的に計測されており,これらの情報を将来予測のために活用することができれば非常に有効であると考える.このような実情を踏まえて,著者らは,最近,実際に観測されている沈下データに基づいた広域地盤沈下の将来的予測手法を提案しているが,渇水期などに見られる地下水位が急激に変動する事例への適用性が悪いことが指摘されている.このことを克服する一つの方法として,地下水位の変動を時系列解析によって予測する手法を考えた.本文では,まず,その手法を紹介し,関東平野北部で多年にわたって観測されている地下水位の観測点におけるデータを解析して沈下予測式に適用できる地下水位変動幅を求めた.次いで,これまでに提案してきた沈下計算式に適用して従来の観測沈下・時間関係と比較を行って計算値がよく実測値と対応することを確かめた.そして,向こう10年間の将来沈下予測を行って,その結果の客観的な理解を容易にするためにGIS(地理情報システム)を用いて電子地図化する方法を示した.最後に,ここで提案する手法を用いることによって地盤沈下による種々の災害を低減するための地下水位モニタリングシステムの可能性についても言及した.

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