地下水学会誌
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特集号論文 日本の堆積盆を想定した二酸化炭素地中貯留における水一岩石反応の検討
千葉県房総半島の例
柏木 洋彦鹿園 直建
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2005 年 47 巻 1 号 p. 65-80

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抄録

帯水層への二酸化炭素の地中貯留における,水一岩石反応による炭素固定(鉱物固定)について,反応速度モデルを用いて検討した.本研究は千葉県房総半島に存在する地層と地下水の反応について考察した.モデル計算に用いた岩石は3種類の堆積岩(泥岩・砂岩)と蛇紋岩で,地下水は同地域に分布する淡水,塩水の地下水に一定の濃度のCO2溶解させた水である.解析の結果,岩石の違いとは関係なく,地下水に溶解したCO2は10万年以内に岩石中に炭酸塩鉱物として固定された.この反応による,CO2注入分に対する炭素固定量の割合は,岩石中の炭酸塩鉱物含有量が少なく,斜長石から溶出するCaイオンの量が多い場合増加し,水質,粒径分布の違いでは有意な差は認められなかった.したがって,CO2地中貯留可能量の評価にとって,母岩に含まれる炭酸塩鉱物の量と,CaやMgに富む珪酸塩鉱物の有無の確認が重要となると考えられる.これらの炭素固定の反応の時間スケールについて検討するため,フィールド分析で求められた鉱物の溶解反応速度定数を使用してシミュレーションを行ったところ,鉱物固定が完了するには約10万年を要することがわかった.

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