地下水学会誌
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バイオバリアによる地下水中塩素化脂肪族炭化水素(CAHs)の自然減衰促進(その2)
微生物環境の変化と脱塩素化メカニズムについて
中島 誠武 暁峰茂野 俊也染谷 孝西垣 誠
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2005 年 47 巻 2 号 p. 217-233

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抄録

地下水中塩素化脂肪族炭化水素(CAHs)の自然減衰促進(ENA)手法として徐放性水素供給剤を用いたバイオバリアを設置し.CAHsの自然減衰効果を約3年間にわたってモニタリングするとともに.微生物生態学的試験により微生物環境の変化を測定した。
微生物環境の変化としてバイオバリアの設置による微生物群集構造の変化とプロテオバクテリアβ.γ両サブクラスの優占化およびバイオバリア設置微後の時間の経過に伴う微生物群集構造.優占生物種の変化が観察された。微生物群集構造の変化はバイオバリアの作動状況等よりも自然環境の変化等の影響を強く受けていると推定され.CAHsの分解に強く関与すると考えられているDehalococcoides属細菌の検出状況の変化に関わらずCAHsの分解が認められていることから.未知の細菌がCAHsの分解に関与していることも推定された。

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