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地下水学会誌
Vol. 47 (2005) No. 2 p. 235-251

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http://doi.org/10.5917/jagh1987.47.235


九州大学では現在.福岡市西部元岡地区の丘陵地に新キャンパスを建設中である。この丘陵地の麓の土地利用は民家.施設園芸.水田.畑であり.生活用水.施設園芸用水.さらには酒造業務用水として地下水が利用されている。特に施設園芸用の取水井は地下水の塩水化域に近く.塩水上の淡水レンズを揚水している取水井があることも観測されている。したがって.園芸用水の過剰揚水.さらには九州大学の新キャンパス建設に伴い地下水酒養量が著しく減少するようになれば.塩水侵入が助長される懸念がある。このため.現地の実情を事前に把握するために.地元の農業用水組合.関係自治体および九州大学とで構成する監視委員会を設置して観測を行っている。
本報告ではこれまでに蓄積されたデータを整理すると共に.地下水取水や降水量等の変化に伴う淡水~塩水境界の挙動について考察を加えた。その結果.取水井によっては夏季に上昇する傾向が強いものの.電気伝導度は200~500μS/cmの範囲で変動し.塩分濃度が上昇しないように注意深く取水されている様子がうかがえた。また.地下水の取水井に近い観測井では.取水量の多い夏季に電気伝導度約20,000μS/cmの深度が上昇し.施設園芸の取水量の増加と連動する様子が観測された。一方.地下水の取水井から離れた観測井では.淡水~塩水境界が明瞭でその深度も安定していることもわかった。

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