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地下水学会誌
Vol. 48 (2006) No. 1 p. 3-15

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http://doi.org/10.5917/jagh1987.48.3


サロベツ湿原南部において泥炭をピートサンプラーおよび鉛直ボーリングにより採取し,物理化学的特性,透水特性,堆積年代の関係について調査した.その結果,本調査地点の泥炭層の厚さは約4.5mで,泥炭層下部にはシルト層,さらに下部には砂層が認められた.泥炭の鉛直方向と水平方向の透水係数を測定した結果,10-5 -10-2 cm/sの広範囲の値となり,明確な異方性は認められなかった.一方,シルト層および砂層では水平方向の透水係数が鉛直方向よりも大きくなった.また,ピートサンプラーとボーリングにより採取した試料との間には,明確な特性の違いは認められなかったことから,ピートサンプラーによって採取した試料で泥炭不撹乱試料の物理化学的特性や透水特性を知ることができると考えられる.さらに,炭素-14による堆積年代の測定結果から,泥炭の平均堆積速度は1.2mrn/y,有機炭素分解速度定数は1.2×10-4 y-1 であると見積もられたが,本調査地点では堆積年代や有機物含有量によって透水係数や間隙率は変化しなかった.したがって,湿原の地下水流動を評価する場合,泥炭層を一定の透水係数を有する一つの帯水層とみなしてよいと考えられる.

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