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地下水学会誌
Vol. 49 (2007) No. 4 p. 327-339

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http://doi.org/10.5917/jagh1987.49.327


温泉を形成する熱・化学成分の供給源地を,水文学的な視点に基づき明らかにした.研究地域である,神奈川県箱根町強羅地区は箱根カルデラ内の中央火口丘北東斜面に位置しており,温泉街として名高い.この地区で得られる高温NaCl泉は,地下深部からの熱流体が地下水と混合したものとして説明されている(Oki and Hirano,1970).1960-2000年までに得られたデータより,地下数百mまでの“平均的な”水理水頭分布を求めたところ,地下水流動は下向き成分を持つことが明らかになった.一方,高温NaCl泉は,主に西北西一東南東方向に並んで帯状に分布し,推定された地下水流動方向および流域境界とは無関係に存在していた.したがって,高温NaCl泉の帯状分布は,熱・成分の供給源地そのものを表していると考えられる.箱根周辺には北東一南西に伸長する応力場が存在していることから,この高温NaCl泉の供給源地は,箱根全体を支配するテクトニクスに起因する応力場によって形成された可能性がある.

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