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地下水学会誌
Vol. 50 (2008) No. 3 p. 145-162

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http://doi.org/10.5917/jagh1987.50.145


関東平野中央部の非火山地域に分布する39本の深部温泉井を対象に,主要化学成分を分析するとともに,温泉井の掘削時に回収された岩片の構成鉱物をX線回折法で同定した.さらに,深部流体温度の推定法としてのシリカ地化学温度計の適用可能性を泉温と併せて検討した結果を踏まえて,水一鉱物相互作用の化学平衡論を用いて広域流動機構および水質形成機構を検討した.深部流体温度の推定には,カルセドニー地化学温度計よりも泉温を用いるのが適当である.難透水性の先新第三系基盤岩類(三波川帯,秩父帯,四万十帯)に賦存する断層規制型温泉の泉質はNa-Cl型とNa-HCO3型に属する.一方,上総層群および三浦層群相当層(新第三系と第四系)に賦存する岩相規制型温泉の泉質はNa-Cl型を主とし,一部にはNa-HCO3型も存在する.海水混合比および泉温の二次元分布は,深部流体が関東山地,利根川上流方面ないし足尾山地および八溝山地から地下に酒養された降水と40℃程度に加熱された化石海水の様々な割合の混合によって形成されたことを示唆する.深部流体はNa-モンモリロナイトとカオリナイトに対して過飽和状態にある.水質組成はNa-モンモリロナイトのMgイオン交換反応および斜長石の風化作用によるカオリナイト化に大きく影響されている.

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