戦後大きく生まれ変わった日本の大学制度は,18歳人口の減少,国立大学の法人化,競争原理・評価システムの導入,産学連携の強化等,ドラスティックな環境変化に伴い,再度大きな変革の波にさらされている.社会及び産業界からの要求に対する大学の対応性が問われ,「社会貢献」,特に「産学連携」を教育・研究に次ぐミッションとして位置づけるに至った.「産学連携」は社会化され,また時と共にその形態,実践する主体,インプリケーションの多様化が進んでいる.本稿では「産学連携」の長い歴史を持つ米国を比較対象として取り上げ,「産学連携の進化」について考察を行う.また終わりに,大学のあるべき姿を「産学連携」の視点から私見を述べることにする.