2013 年 43 巻 3 号 p. 93-98
積雪寒冷都市である青森市において,簡易な大口径の降水採取装置を用いて冬季降水量を2013年1月3日から3月31日まで観測し,青森地方気象台における冬季降水量と比較した結果,本観測の多くは過大に観測されていた。また,回帰分析の結果,決定係数(r2)0.94,回帰直線の傾き1.06,Y切片0.8 mmを示した。大口径の降水採取装置を用いた観測結果における過小の原因としては,風速が大きくなるにつれての捕捉率の低下などが考えられ,一方過大になった理由は,降水採取装置の開口部の縁に積もった雪もナイロン袋内に回収した結果や風などで積雪が再び動き出す二次移動などが考えられた。