日本水文科学会誌
Online ISSN : 1883-7166
Print ISSN : 1342-9612
ISSN-L : 1342-9612
総説
温暖化による東シベリア永久凍土域の水環境変化と社会の適応
—適応策提言を目指した文理融合・学際型の国際共同研究—
檜山 哲哉
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 45 巻 3 号 p. 61-72

詳細
抄録

地球温暖化は北極域(北極海とそれを取り囲む環北極陸域)で顕著に進行している。温暖化は,シベリアの水循環と水環境(凍結・融解時期や永久凍土表層の状態)を変化させることで凍土生態系に影響を与える。その結果,シベリアに暮らす人びとの文化生態や生業にも影響を及ぼす。本論文では,環北極陸域に位置する東シベリアにおいて,温暖化が河川洪水(春洪水と夏洪水)の頻度や規模の変化を通してどのように人々の生活や生業に影響を及ぼしているのかを調査し,これまでの人々の適応と現地政府の適応策を調べ,今後採るべき適応策を考案した文理融合型の国際共同研究プロジェクト(地球研シベリアプロジェクト)の概要を紹介する。そして,「社会のための科学」を包含する水文科学の構築に向け,本学会がどのように寄与していくべきかについて,考察する。

著者関連情報
© 2015 日本水文科学会誌
前の記事 次の記事
feedback
Top