国際ビジネス研究
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標準化・適応化戦略における市場選択の重要性 : サムスン電子の事例を中心として
金 炯中
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2011 年 3 巻 2 号 p. 145-158

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抄録

標準化・適応化戦略に関する従来の研究は、主に標準化・適応化に影響を与える要因、標準化の程度、そして経営成果との関係に焦点が当てられてきた。しかし、こうした一連の研究は、近年、分析範囲の曖昧さ、一貫性の欠けた経営成果との関係、そして標準化・適応化の同時達成ロジックの不在など、多くの問題点が指摘されている。本研究は、こうした既存研究の問題を踏まえつつ、これまで重視されてこなかった市場選択の問題を分析視点として取り入れて議論を深めることにより、標準化・適応化戦略における市場選択の重要性を強調することを目的とした。そのために、携帯電話端末機事業で成長を続けているサムスン電子の事例を用いた。分析の結果、サムスンは第1に、グローバル製品および広告に対しては欧米市場を中心に標準化を展開しているが、新興国市場では、積極的な適応化を行っていることが判明した。第2に、現地適応化により開発されたマーケティング要素を、環境や消費者要因を基準として移転先市場を選択し、積極的に移転していることが明確になった。第3に、ソーシャル・マーケティング活動や製品関連活動において、地域的要因と経済的要因でグローバル市場をグループ化し、そのグループ市場の中に同一のマーケティングを展開していることが明らかになった。以上により、本研究は標準化・適応化戦略における市場選択の重要性を示すことができた。

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© 2011 国際ビジネス研究学会
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