日本イオン交換学会誌
一般論文
溶融石炭灰と海水を用いたゼオライト系吸着剤の調製と陽イオン交換特性
平井 尚和嶋 隆昌吉塚 和治
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21 巻 (2010) 4 号 p. 382-387

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抄録

火力発電所で排出される石炭灰フライアッシュとタービン用冷却水として使用される海水を利用した機能性物質の製造を目的として,アルカリ溶融石炭灰を原料とするゼオライト系吸着剤の調製を行い,調製条件の最適化を検討した。500°C でアルカリ溶融した石炭灰を前駆体,2倍に希釈した海水を原料として80°C,12時間反応した調製物のアンモニウムイオン交換能は4.6 mmol⁄g で,イオン交換水を原料とした調製物と同等であった。また,海水中では希釈の有無に関わらず6時間以上の反応でゼオライトX,ゼオライトA が生成したが,12時間以上の反応ではイオン交換能の低いヒドロキシソーダライトが生成したことから,生成物中のゼオライトAがヒドロキシソーダライトに転化したものであることが示唆された。以上より500°Cでアルカリ溶融した石炭灰と2倍希釈した海水を用い,80°Cで6∼12時間反応させれば,高い陽イオン交換能を有するゼオライトX系吸着剤が製造できることが明らかとなった。

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© 2010 日本イオン交換学会
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