22 巻 (2011) 3 号 p. 87-95
イオン交換法による使用済液晶パネル中からのインジウムの分離回収の基礎研究として,3 級,4 級ピリジン基を有する陰イオン交換樹脂を合成し,塩酸溶液下における In(III) の吸着挙動を静的吸着試験により検討した。また,使用済液晶パネル中に多含する金属元素の分離特性を検討するため,カラム分離試験を実施した。塩酸水溶液下における 3 級,4 級ピリジン系陰イオン交換樹脂による In(III) の吸着分配係数は塩酸濃度増加に伴い増加した。この吸着挙動は塩酸濃度上昇に伴い溶液中で存在が支配的となる高配位クロロ錯体との陰イオン交換によるものと考えられた。使用済液晶パネル中に多含される In(III), Sn(II), Sn(IV), Cu(II), Ni(II), Al(III) の分離最適塩酸濃度は 3 mol・dm-3 あると考えられた。4 級ピリジン樹脂を用いたカラム分離試験により,In(III) と他元素の分離が容易に行えることが明らかとなった。